ペルセウス座流星群を見よう 2002年8月13日

 天文関係の夏の風物詩といえば何を想像されますか。七夕祭り、さそり座、天の川などいろいろありますが、ペルセウス座流星群はその筆頭に挙げてもよいのではないでしょうか。痕を残しながら明るい流星が多く飛ぶさまは非常に印象に残ります。ペルセウス座流星群は近年話題のしし座流星群を除けば、年間を通して最大の流星群です。

 今年は月齢から考えると最良の条件。みなさんもぜひペルセウス座流星群を観測して、流星を天体観測する楽しさを味わってみてください。

※下の絵はあくまでもイメージです。一度にこんなにたくさんの流星が見られると勘違いしないようにしてくださいね。
ペルセウス座流星群の出現イメージ

ペルセウス座流星群とは

 流星は小さなチリが地球に飛び込んできた時にチリが発光する現象です。ですから流星というと、いつ、どこに、どういう方向から飛んでくるのか予想がつきません。ところが年間を通してある時期になると特定の決まった方向から流星が飛んでくるように見える場合があります。これを流星群と呼び、飛んでくる方向に見える星座の名前をとって「何何座流星群」といいます。今回はペルセウス座の方向から流星が飛んでくるように見えるので「ペルセウス座流星群」となります。流星群は彗星の吐き出すチリに関係していると言われており、ペルセウス座の母彗星はテンペル・タットル彗星だとされています。

ペルセウス座流星群の特徴

3大流星群のひとつ

 ペルセウス座流星群は、年間に活動する流星群の中でも、最も活動的に活動する流星群のひとつで、しぶんぎ座流星群、ふたご座流星群とともに、3大流星群の一角を占めます。ちなみに、近年話題の多いしし座流星群は、出現数が年によってマチマチなので3大流星群には含まれません。

日にち

 ペルセウス座流星群は7月20日頃から活動を始め、8月20日頃に活動を終えます。
 そして極大は8月12日の晩から8月13日の明け方にかけてとなります。極大の日をはずすと、見られる流星の数はグッと少なくなってしまいますから、日付を間違えないようにしましょう!

時間帯

 輻射点のあるペルセウス座の高度が高くなるほど流星を多く見ることができます。概ね0時以降が良いといっておきましょう。そして、明け方に近づくほどさらに条件は良くなります。でも0時以降でないと流星が見られないわけではありません。
 今年の場合は月は21時台に沈むので、こちらの方は気にする必要はありません。ラッキー。

輻射点

 流星が飛び出してくるように見える方向は輻射点と呼ばれますが、今回の場合はペルセウス座付近です。ペルセウス座流星群といっても、ペルセウス座の中にしか流星が流れないというわけではありませんので、この点に注意してください。流星は全天にまんべんなく流れます。

流星数

 ピーク時で1時間あたり60個程度の流星が見られます。でもこれは視界が開けた空が暗い場所で流星を見慣れた人が見た場合の話。都会の明るい空では1時間に1、2個見られたら上出来かもしれません。ぜひとも空が暗い場所へ出かけて行って見るようにしましょう。
 感覚的に言えば、ボーッと眺めていてしばらくするとピュッと流星が飛ぶ、そんなイメージでしょうか。

ペルセウス座流星群の流星の特徴

 ペルセウス座流星群の特徴は次のとおりです。

  ・明るい流星が多い
  ・痕を残すものが多い
  ・速度が速い(願い事は無理かも?)

ペルセウス座流星群を観測しよう

空が暗い場所で

 田舎などの空が暗い場所で見るようにしてください。絶対的な数からいえば、暗い流星ほど、その数は多くなります。したがって、光害の激しい都会の空の下では明るい流星しか見ることはできず、見える流星の数は減ってしまいます。街灯や自動販売機の近くなどの人口の光の近くは避けるようにしましょう。

視界が開けた場所

 流星はペルセウス座だけに見えるのではなく全天に流れます。ですから視界が開けた場所ほど流星を見ることができる確率が高くなります。
 流星がどこに流れるかは予測がつきません。ですから流星が見える、見えないはあなたの運しだい。自分が見ていない方向に大流星が流れて、くやしい思いをするのもよくある話です。

寝転んで空を眺める

 流星を観測する場合、特に双眼鏡や天体望遠鏡は必要ありません。流星を見るには寝転んで肉眼で観測するのが一番です。長時間見ていても首が疲れませんし、全天を見ることができるからです。

エチケット

 周りには流星の写真を撮っている方もおられます。車のライトや懐中電灯などの光は流星写真には大敵で、空やカメラの方に光を当てるとせっかくの写真がパーになってしまいます。光を使う場合は一言声をかけるなど配慮しましょう。また夜間は小さな音でもよく響きます。当たり前のことですが、近所迷惑にならないよう、話し声などは控えめにします。

その他の注意点

 8月とはいえ、郊外の明け方の気温はぐっと低くなる場合があります。昼間は暑くても、ちょっと上に1枚着るものを持っていっておいた方がよいでしょう。また、夜露もつきますから、それなりの服装で出かけたほうが無難です。

ペルセウス座流星群の出現イメージ

 8月13日3時頃の流星出現イメージのリンクを張りましたので参考にどうぞ。あくまでもイメージということでね。

 ペルセ群 北の空
 ペルセ群 東の空
 ペルセ群 南の空
 ペルセ群 西の空
 ペルセ群 天頂方向

 「つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレット」の中にある「流星群」でペルセウス座流星群の出現イメージをつかんでおきましょう。

  ・観測地    自分の住む場所に近い場所に変更します
  ・図法     いろいろな図法で表示してみてください
  ・方向     図法によっては方向を変更できます。いろいろお試しください
  ・流星群に日時を合わせる    チェックを外すと、時刻を変更できます

このページの画像は「つるちゃんのプラネタリウム for Windows シェア版」を使用しています。ダウンロードできるフリー版もあるよ。どちらも天文ソフトのダウンロードとご購入からどうぞ。