しし座流星群

 しし座流星群といえば2001年に日本で流星雨が観測されて、大フィーバーをもたらした有名な流星群です。ここではその特徴や観測方法を紹介します。

2017年は11月18日の夜明け前が見ごろ −条件最良−

 しし座流星群の母彗星であるテンペル・タットル彗星は、2014年に遠日点を通過しました。あれから3年しかたっておらず、母彗星が地球から遠ざかっています。流星のもとになるチリの分布密度が薄くなっており、活動期から大きくはずれています。2017年しし座流星群の出現数は、1時間あたりに最大でも15個程度にとどまるでしょう。

 2017年しし座流星群の極大は11月18日の1時ごろと予想されています。この時間帯は輻射点(放射点)のあるしし座が昇っており、極大時刻に流星観測することができて最良です。日にちが変わった18日の夜半過ぎから夜明け前にかけて、輻射点の上昇とともに、流星の出現数が増加していくでしょう。

 次に月の条件です。18日は新月ということで、全く月明かりの影響を受けません。月の条件も最良ですから、2017年しし座流星群の観測条件は最良といえます。

 それから今年は11月17日の2時ごろ、西暦1300年に生成されたダスト・トレイルに近づくという予報があります。出現数はあまり増えないかもしれませんが、明るい流星が増えるという予想もあります。17日と18日、両日の未明に注目しましょう。

 しし座流星群は毎年のように明るい火球が流れます。こちらもちょっぴり期待して観測してください。夜半以降は予想以上に冷え込みますから、防寒対策だけはしっかりしておきましょう。

2017年11月18日3時頃の出現イメージ

しし座流星群の出現イメージ

 以降では、しし座流星群について詳しく解説していますのでお読みください。

過去のしし座流星群

輝かしい歴史

 しし座流星群ほど輝かしい歴史を持つ流星群は他にありません。1799年の大出現では「天が流星で埋め尽くされた」といわれていますし、1833年と1866年には一晩に20万個もの流星が飛んで、人々が「世界が火事だ」と泣き叫んだと伝えられています。

1999年:ヨーロッパで流星雨

 ヨーロッパでピーク時に1時間に換算して約5000個の流星雨が見られました。 この時NHKのハイビジョンカメラによって航空機から流星雨が撮影されました。また、この年はアッシャー氏によって初めてピーク時刻の予報がなされた年でした。ほぼ予想通りの時刻にピークを迎えて、皆が大変驚かされました。

2000年:1時間あたり数百の出現、ピーク時刻は的中

 2000年は流星雨にはならなかったものの、1999年に引き続いてピーク時刻の予報が的中しました。2年続けて予報が的中したことで、しし座流星群の極大時刻が予報できる時代になったことを確信させる年となりました。

2001年:日本で流星雨

 2001年のしし座流星群は、アッシャー氏の予報通り日本で流星雨となりました。1時間換算での流星数は最大で約5000個に達し、1時間に1000個以上の出現が4時間以上も続きました。しかも、明るい流星が多かったのも特徴です。大火球が出現したり、同時に多数の流星が流れたり、複数の永続痕が観測されたりして、日本での観測者にとっては歴史的な大出現となりました。

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2002年:ヨーロッパで流星雨

 ヨーロッパでは1時間換算で最大1000個くらい出現し、流星雨が見られました。また、アメリカのアリゾナ州では1時間換算で最大1500個以上の出現となり、こちらでも流星雨が見られました。2001年とは違って暗い流星が多かったのが特徴でした。

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テンペル・タットル彗星と流星雨

 彗星が撒き散らしたチリの中を地球が通過すると流星群が見られます。しし座流星群の場合はテンペル・タットル彗星が母彗星ですから、この軌道を横切るときにチリの密度が高くなって極大となります。特に、過去に彗星が回帰したときに撒き散らしたチリの帯が、密度が高い状態で細い帯状に残っていることがあります。これは、ダスト・トレイルと呼ばれています。地球がダスト・トレイルを通過すると流星の数が急激に増えて、時には流星雨が見られます。

テンペル・タットル彗星の軌道付近を通過する地球(2009年の例)

※地球がテンペル・タットル彗星の軌道を横切る時に、しし座流星群が見られる

活動期間

 しし座流星群は11月5日から25日までが活動期間とされています。最も流星が多く流れる極大日は年によって異なりますが、だいたい11月17日か18日となります。しかしながら日本で流星雨が見られた2001年の場合は19日が極大日でしたから、必ずしも一定しているわけではありません。最新の情報に注意してください。

流星の数

 流星の出現数はしし座流星群の場合、母彗星のテンペル・タットル彗星が近づくと出現数が増加して流星雨をもたらすことがあります。しかし、それ以外の年だと1時間あたりに10個から20個程度で、それほど多いわけではありません。また、テンペル・タットル彗星が地球からすっかり離れてしまうと、1時間あたりに10個以下しか出現しない年もあり、さびしい流星群になってしまいます。

見える方向

 しし座が描くライオンのたてがみか首のあたり、γ(ガンマ)星の方向から流星が飛び出してくるように見えます。といっても、これは流星が流れた経路を逆方向へたどっていくと、しし座のガンマ星に行き着くという意味です。なにも、しし座にしか流星が流れないわけではありません。しし座流星群の流星は全天にまんべんなく流れますから、ご自分が好きな方角を見ればよいことになります。

観測時間帯

 輻射点のあるしし座は日が変わる0時前後に東の空から昇ってきます。それ以前でも流星が流れないわけではありませんが、本格的に流れ出すのは0時以降と思っておいた方が良いでしょう。それ以降は明け方にかけて輻射点が次第に高くなり、それとともに流星の出現数も増加していきます。

流星の見え方

 流星を一度も見たことがないという方もいらっしゃるかもしれませんね。流星は何の予告もなしに、音もなく星がシュット流れます。本当にアッという間の出来事です。特にしし座流星群の場合、流星のもととなるチリが地球へ飛び込む速度が速いため、流星が流れる速度もそれだけ速くなります。しし座流星群が 「非常に速い」 に分類されているのもこのためです。流星が流れている間に願い事を3度唱えると願いがかなうと言われますが、これは結構大変かもしれません。

特徴

 しし座流星群は次のような特徴があります。

  ・母彗星のテンペル・タットル彗星の軌道の関係で、流星のもととなるチリは地球の進行方向から地球へ向けて突進するような形で飛び込んできます。したがって、流星の見え方も非常に速いものが多くなり、ほんの一瞬で「あっ」という間に消えてしまいます。
  ・毎年火球クラスの非常に明るいものが出現して、全体的に明るい流星の比率が高いのが特徴です。
  ・明るい流星が流れた後に煙のようなモヤモヤが残って、を観測できることがあります。

過去の記事

 過去に当サイトで紹介した記事をしし座流星群 過去の記事のページでまとめました。もしよろしければご覧ください。
  

その他、流星群観測にあたっての注意点も参照してください。