ふたご座流星群特集 2001年

 11月19日のしし座流星群が大出現した余韻が冷めやまぬ中、今度は12月14日にふたご座流星群が極大をむかえます。今年のしし座流星群のような華々しい流星雨は期待できませんが、毎年安定した出現をみせて私たちの目を楽しませてくれます。おまけに極大日の頃には今年は新月ですから月明かりに観測を妨害される心配もありません。
 極大時刻の関係で13から14日と14から15日のどちらの晩に流星が多く飛ぶのか微妙なところです。ここでは13日から14日として話を進めましょう。

ふたご座流星群の出現イメージ

流星群とは

 しし座流星群の時に一度お話しましたが、おさらいをしておきましょう。流星は、いつ、どこに、どういう方向から飛んでくるのか予想がつかないものです。ところが年間を通してある時期になると特定の決まった方向から流星が飛んでくるように見える場合があります。これを流星群といいます。そして飛んでくる方向に見える星座の名前をとって「何何流星群」と呼んでいます。今回はふたご座の方向から流星が飛んでくるように見えるのでふたご座流星群と呼ばれています。

特徴

 ふたご座流星群は次のような特徴をもつ流星群です。

3大流星群のひとつ

 ふたご座流星群は3大流星群のひとつで、多くの流星出現が期待できます。輻射点が一晩中見えている関係で、ひと晩に観測できる流星数では年間を通してこの群が最も多くなります。もちろん、今年のしし座流星群のような例外を除いての話ですが。ちなみに、3大流星群の他の2つは年初のしぶんぎ座流星群と夏のペルセウス座流星群です。

極大日時

 1時間あたりで50個〜60個くらい出現します。多い年なら100個前後になる場合もあります。もちろんこれは空が暗く視界が開けた場所で見た場合の話です。

出現数

 今年の極大時刻は14日7時、14日13時、14日17時の3回といわれています。ですから13日から14日にかけての晩は増加傾向、14日から15日にかけての晩は減少傾向になると考えられます。どちらかというと、13日から14日にかけての晩の方がやや有利かもしれません。

ふたご座流星群の特徴

 流星群に属する流星はそれぞれ性状に特徴があります。ふたご座流星群の場合は概ね次のようになっています。総じて特徴のない群といえるかもしれません。

   ・方向   ふたご座の方向、正確にはα星のカストル付近から飛んでくるように見えます
   ・速さ   流星としては普通の速さです
   ・明るさ  特に明るいものが多いとか暗いものが多いといった特徴はありません
   ・その他  爆発したり火球が飛んだりというのはあまりありません。

観測のポイント

 ふたご座流星群を観測する場合のポイントをいくつかあげてみましょう。

空が暗い場所へ

 一般的に天文現象を見る場合は空が暗い場所で見るに限ります。流星の場合も同様で、都会の明るい空では明るい流星だけしか見ることができず、出現数は激減してしまいます。
 例えば今年のしし座流星群のピーク時の場合、都会では1時間に30個くらいしか見えないのに、田舎で空が暗い場所では2000個を超す大出現となったことからもわかります。

視界を確保する

 流星は全天に流れます。ふたご座だけに流れるのではない点に注意してください。ですから視界が開けた場所ほど流星が見えるチャンスが増えます。

時間と方角

 ふたご座流星群の場合、輻射点は一晩中見えていますので時間にとらわれる必要はないでしょう。しいて言えば、輻射点の高度が高くなる真夜中頃の条件が最も良くなります。
 例年でしたら月明かりのない時間を選ぶのですが、今年は新月なのでその必要はありません。
 次に見る方角ですが、流星は全天に流れ、どこに流れるのかわかりませんので、あなたが「ここ」と思う方角を見ればOKです。

流星の飛び方

 ふたご座流星群の流星は輻射点の方向、つまりふたご座のカストル付近から飛んでくるように見えます。また、輻射点に近いほど流星の経路は短くゆっくり飛び、輻射点から離れるほど流星の経路は長くて速く飛びます。
 ふたご座流星群の速さは普通に分類され、しし座流星群よりはゆっくりと飛びますが、それでも「あっ」と言う間の現象であることにかわりはありません。

寝転んで見よう

 流星を見るには寝転んで見るのが一番です。長時間見ていても首が疲れませんし、全天を見ることができるからです。

肉眼で見よう

 天体望遠鏡や双眼鏡は視野が狭くなってしまうので、特別な目的がない限り特に必要ありません。流星を見るには肉眼で見るのが一番です。

防寒対策

 ある意味ではこの防寒対策が一番重要かもしれません。しし座流星群で経験された方も多いかもしれませんが、夜間はとにかく寒くなります。防寒着やカイロなどは多めに準備しておきましょう。

流星の出現イメージ

 見る時間や方向によって出現イメージが変わってきます。0時の場合のリンクを用意しましたので確認してみてください。天頂方向は頭を北側に向けて寝転がって見る場合を想定したものです。

14日0時 2001年12月14日0時 東の空
2001年12月14日0時 南の空
2001年12月14日0時 西の空
2001年12月14日0時 北の空
2001年12月14日0時 天頂方向
 

「つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレット」の中にある「流星群の見え方」で画面に出現イメージを表示させてみましょう。

当日の各地の日の出、日の入りや空が暗い時間帯などの観測条件はつるちゃんの「プラネタリウム for Javaアプレット」の中にある「観測情報」で確認してください。