こぐま座流星群

 こぐま座流星群は主要な流星群としては、年間を通して最後に活動します。一年の最後はこぐま座流星群で、という方もおられるでしょう。出現数こそ少ないですが、突発的に活動することがある流星群として有名です。とはいえ例年は出現数が少なくて、ほとんど出現しない年もあるだけに、空が暗い場所で観測して暗い流星も確実に捉えるようにしたいところです。極大の頃は冬至ということもあり、夜長をフルに活用して、こぐま座流星群を観測してみられてはいかがでしょうか。

2023年は12月22日の夜が見ごろ

 2023年のこぐま座流星群の極大は、12月23日の13時頃と予想されています。日本では空が明るい時間帯ですから、極大時刻の条件は良くありません。といっても、もともと出現数自体が少ない上に、ピークの時間帯が短いわけではありませんから、極大時刻は気休め程度です。
 
 こぐま座流星群に限らず、特に大切なのが月の条件です。12月23日0時の月齢は9.6で、半月よりも太って丸みを帯びた月です。東京では2時44分に沈みますが、それまで月明かりの影響を受けてしまいます。普通に考えると流星の出現数は期待できません。
 
 しかし今年は、22日23時から23日2時台に、出現数が増加する予報があります。もしかすると思わぬ増加が見られるかもしれませんので、こちらに期待しましょう。

こぐま座流星群の出現イメージ

こぐま座流星群の出現イメージ

 以降では、こぐま座流星群について解説していますのでお読みください。

こぐま座流星群とは

 こぐま座流星群は主な流星群の中で、年間を通して一番最後に活動するラストバッターです。このため一年間の天体観測を、こぐま座流星群で締めくくるという方もいらっしゃいます。こぐま座といえば北極星のある星座ですね。もちろん88星座の中で最も北に位置する星座です。このため輻射点の高度が一晩中そこそこあって、いつでも観測できるという数少ない流星群となっています。

輻射点(放射点)

 こぐま座流星群の輻射点の位置は、上の星図にある黄緑色にマークした付近です。この流星群に属する流れ星は、こぐま座β星の方向から飛び出してくるように見えます。こぐま座β星はコカブという固有名を持ったこぐま座の星で、北極星とは違ったもう一つの2等星です。
 
 輻射点は一晩中沈むことなく地平線よりも上にあります。このため、時間帯を問わず流星観測することができます。しかし条件が良いのは夜明け前頃で、輻射点は空の中ほどまで上がっています。

活動期間

 12月18日から12月24日の1週間が活動期間とされています。年末、クリスマス前頃に活動すると覚えておきましょう。

母彗星

 流星群は流星のもととなるチリを撒き散らす母彗星が存在しており、こぐま座流星群の母彗星はタットル彗星(8P/Tuttle)とされています。タットル彗星は13.6年という短い周期で公転する彗星ですが、回帰しても出現数にはあまり影響していないようです。例えば2007年のこぐま座流星群は、タットル彗星が接近するため例年よりも流星が多く出現すると予想されましたが、実際には大きな変化はありませんでした。

極大日

 こぐま座流星群の極大日は12月22日か23日で年によって異なります。他の流星群と同様に極大時刻は毎年異なります。

見える方向と時間

 先にも書きましたように、一晩中輻射点が沈みませんから時間帯はあまり気にする必要はありません。しかし、夜明けが近づくほど輻射点の高度が上がり、条件が良くなります。流れ星は全天に流れますから、見る方角はどちらが良いということはありません。しかし、流星が飛び出す方向を意識して観測するのでしたら、北の方角を中心に観測するのが良いでしょう。

流星の見え方

 流星のもととなるチリが地球に飛び込んでくる速度は対地速度とよばれます。こぐま座流星群の場合は対地速度は秒速33Kmで、流星としては普通の速さす。流星の性質としては特にこれといった特徴はなく平凡です。

流星の数

 出現する数は1時間あたりに最大で5個程度です。しかしバラツキがあり、ほとんど出現しない年もあれば、例年よりもやけに多く出現する年もあります。

突発癖

 周期的なものではなく、何の前触れもなく突発的に多く流星が出現することがあります。1945年には最良条件下換算で1時間当たりに最大で110個から170個も出現しました。その後も、1986年、1994年、2000年に突発出現が観測されました。また、1981年は明るい火球が多く出現しています。突発出現では火球が多く出る場合と、暗い微光流星が多く出る場合があるようです。