とかげ座

天頂付近で南中する日時のめやす

8月1日1時、9月1日23時、10月1日21時

とかげ座の見え方

とかげ座の見え方

とかげ座付近の星図

とかげ座

ヘベリウスの星座

 夏の天の川が通るはくちょう座から秋の天の川へ差し掛かるあたり、カシオペア座とはくちょう座の間にとかげ座があります。とかげ座は17世紀にポーランドの天文学者であるベリウスが「星座がない領域が広すぎる」と言って新しく作った星座です。

 とかげ座には3等星以上の星がありません。最も明るいα星が3.8等で、他の星は全てこれよりも暗い星です。よく目をこらしてみると4等級から5等級の星がジグザグに並んでいるのがわかりますが、都会の夜空で確認するのはまず無理でしょう。ジグザグに並んだ星の配列は「とかげ」と言われれば見えなくもありませんが、とかげ座を設定したヘベリウスでさえ、トカゲにしようかイモリにしようか迷ったそうです。

 どちらにしても、ペガスス座やカシオペア座やはくちょう座といった、わかりやすい星座の間にできた空白地帯を埋めるために無理矢理作られた星座だけに、わかりづらいのもしかたのないところです。

とかげ座BL天体

 1928年に12等から16等に明るさを変える変光星がとかげ座の中に発見され、とかげ座BL星と名づけられました。この天体は強いX線や電波が放たれていることが発見され、距離も11億光年も離れていることがわかりました。これは、小さなエリアから大きなエネルギーが発せられる特異な天体で、とかげ座BL天体、またはブレーザーとよばれています。とかげ座BL天体は、楕円銀河の中心にある巨大なブラックホールによって、強力なエネルギーが発せられると考えられています。