さいだん座

さいだん座

南に低い星座

 さいだん座は南の低い位置に見える星座で、さそり座のすぐ南に位置しています。日本では奄美大島付近まで行かないと全景を見ることはできません。

 さそり座のしっぽが南中する頃、さいだん座が南中します。この頃、地平線付近に上半分がチラッと顔をのぞかせます。さいだん座の中で一番明るいα星は3等星です。東京付近の緯度からだと南中時の高度が4度ちょっとですから、この星が見えるかどうかといったところでしょうか。

いけにえを捧げる神殿の祭壇

 ところで、さいだん座の「さいだん」って何のことだかよくわからない方も多いでしょう。さいだんとは、神様にいけにえを捧げるときに火をたく台よようなもので、神殿にある祭壇のことです。こんなわけのわからない星座は、きっとラカイユの星座かと思いきや、実は古代ギリシャ時代から存在していました。そして立派にトレミーの48星座に含まれています。

ギリシャ神話

 キリシャ神話では大神ゼウスが父のクロノスを殺し、王位を奪いました。この事が予言された際の祭壇がさいだん座にされたのだそうです。

バベルの塔にある祭壇

 別の話もあります。バビロニア帝国の首都バビロンには、巨大なジグラッドがそびえ立っていました。これはバベルの塔とよばれますが、この頂上にあった神殿の祭壇が、さいだん座だということです。

さいだん座を通る天の川

 さいだん座の中を天の川が通っている関係で、もっと星数が多くてもよさそうなものですが、実際にはこれといって目ぼしい星は見当たりません。さいだん座を通る天の川を、祭壇から立ち上る煙に見立てると面白いかもしれません。