みなみじゅうじ座

みなみじゅうじ座

あこがれの南十字星

 南十字星といえば南半球の代表的な星ですが、実を言うと南十字星はみなみじゅうじ座という星座です。みなみじゅうじ座は沖縄あたりの緯度まで南下すると南の地平線近くでどうにか見ることができるのですが、その美しさを十分楽しもうとすると、やはり南半球へ行きたいところです。

 みなみじゅうじ座は春の星座のからす座から見てちょうど真南に位置しますので、からす座が南中した頃を見計らって見つけるようにしましょう。

二つの1等星

 みなみじゅうじ座は、1等星ふたつと、2等星と3等星がひとつずつからなる美しい星座です。南側に位置するα星はアクルクス、東側のβ星はミモーサという1等星です。北側のγ星は2等星で、西側のδ星は3等星です。一つの星座に二つの1等星があるのは、みなみじゅうじ座以外ではケンタウルス座オリオン座だけしかありません。

全天で一番小さな星座

 南十字星を初めて見ると、思ったよりもこじんまりとした印象を受けるかもしれませんが、それもそのはず。みなみじゅうじ座は全天で88ある星座の中で最も小さな星座です。その面積は68平方度しかありません。最も大きなうみへび座は1303平方度ありますから、みなみじゅうじ座はうみへび座の19分の1の面積しかありません。

コールサック

 みなみじゅうじ座は天の川の真っ只中にありますが、α星のアクルクスとβ星のミモーサの近くにはコールサック(石炭袋)と呼ばれる暗黒星雲があります。写真で撮影すると星数の多い天の川の中に、ポッカリと丸く星数の少ない領域があることがハッキリとわかります。