ぼうえんきょう座

ぼうえんきょう座

いて座のはるか南

 夏の星座いて座の南には、半円形のかわいらしい星座、みなみのかんむり座があります。そこからさらに南に位置するのが、ぼうえんきょう座です。だいぶ南に位置している星座ですから、東京あたりの緯度からだと北側の一部しか見ることができません。ぼうえんきょう座の中で最も北側に位置し、最も明るい星はα星です。このα星は3.5等の明るさしかない上に、東京での南中高度は8度ちょっとしかありません。全景を確認するためには、石垣島や宮古島付近まで南下する必要があります。そんなわけで、日本でぼうえんきょう座を確認するのは難しいですから、α星が見えれば良しとしましょう。

カッシーニの望遠鏡

 ぼうえんきょう座を設定したのは、南天の14星座を設定したことで有名なラカイユです。ラカイユはパリ天文台に所属しており、初代所長はカッシーニでした。このカッシーニが使っていた空中望遠鏡をイメージしたものが、ぼうえんきょう座なのだそうです。近くにはけんびきょう座という星座もあることから、ラカイユの光学機器に対する思い入れが感じられます。