うしかい座

天頂付近にくる日時のめやす

5月1日0時、6月1日22時、7月1日20時

うしかい座の様子(3月・東の空)

うしかい座の見え方

うしかい座の見え方

うしかい座付近の星図

うしかい座

巨人の姿

 うしかい座はのし紙のような形をした星の配列がトレードマークです。星座絵で見ると、ここに二匹の猟犬(りょうけん座)を連れた巨人の姿が描かれています。うしかい座は母子熊の物語で出てくるアルカス(こぐま座)の姿だとか、二輪の戦車を操るアテネ王エレクトニウス(ぎょしゃ座)だとか、天をかつぐアトラスではないかなど諸説がありますが、はっきりとした神話は伝わっていません。

 紀元前8世紀頃、ギリシャの詩人ホメロスの叙事詩の中に、船の針路を決める星座としてうしかい座が記述されているそうです。うしかい座はトレミーの48星座に含まれています。

アークトゥルス

 うしかい座の目印は、何といってもオレンジ色をした1等星アークトゥルスです。アークトゥルスは春の大曲線から見つけることができます。1等星といいながら本当は0等星ですから、他の1等星と比べても明るくてよく目につきます。アークトゥルスはギリシャ語では熊の番人という意味です。日本では麦刈りが始まる頃の夕暮れ時に天高く輝くので、麦星と呼ばれています。しかし、他にはあまり目立った星はありません。暗い星々をつないでいくと大きな「のし」か「ネクタイ」のような形をしているのが印象的です。

美しい2重星プリケリマ

 うしかい座のε星はとても美しい2重星です。その名もプリケリマ。最も美しいものという意味です。プリケリマを天体望遠鏡でのぞいてみましょう。黄色の2.7等星と青色の5.1等星が2.9秒の間隔で美しく並んでいるのがわかります。