5月1日0時、6月1日22時、7月1日20時
てんびん座の見え方 |
てんびん座付近の星図 |
ギリシャ神話ではこの天秤は、正義の女神アストレアが人間の罪を秤にかけるために手にしていた天秤だとされています。
しかし、これとは別の見方もあります。現在秋分点はおとめ座の中にありますが、地球自転軸の歳差運動によって、2700年前から4300年前にはてんびん座の中にありました。秋分の日に太陽はてんびん座の中に見えたのです。つまり、昼夜を等しく分けるという意味で、てんびん座ができたのではないかというわけです。
β星、α星、σ星の順にたどると「く」の字を左右逆さまにしたような星の並びがすぐに浮かび上がります。これがてんびん座の目印になります。しかし、他の星はそれほど目立つものはなく、天秤の形を想像するのはちょっと難しいものがあります。
古代ギリシャでは当初、てんびん座はさそり座の一部とされていました。サソリが振り上げた2つのハサミのツメに見立てたのです。その名残りで、α星はズベン・エルゲニブ(南のツメ)、β星はズベン・エルシェマリ(北のツメ)という名前がついています。今でもてんびん座にある星の名前だけは、サソリの一部なのです。
てんぴん座で2番目の明るさを持つα星は2.8等と5.2等の二つの星が寄り添った二重星です。間隔は4分弱も開いていますから、空が十分暗い場所からなら、α星が二重星であることがわかるでしょう。
てんびん座のβ星は2.6等星で、てんびん座の中では最も明るい星です。スペクトル型はB8で白色をしており、写真に撮影しても白色に写ります。しかしこの星は以前から、肉眼で見ると、緑やエメラルド色に見える人がおられるようです。なぜ緑色に見えるのか、よくわかっていません。みなさんは何色に見えますか?