こと座

天頂付近にくる日時のめやす

7月1日0時、8月1日22時、9月1日20時

こと座の様子(6月・東の空)

こと座の見え方

こと座の見え方

こと座付近の星図

こと座

小さな平行四辺形

 こと座には1等星ベガがある上に、小さな平行四辺形が特徴的ですから、すぐに覚えることができます。そして、1度見れば忘れることはないでしょう。こと座はトレミーの48星座のひとつです。

オルフェウスの琴

 ギリシャ神話で登場すること座の琴は、ギリシャで一番の音楽家オルフェウスの琴だったといわれています。これは商業と伝令の神ヘルメスが作った竪琴を太陽の神アポロンがゆずり受け、これを竪琴の名手オルフェウスに与えたたものです。この竪琴は亀の甲羅に7本の糸を張ったものでした。オルフェウスが琴を奏でると、冥土の番犬ケルベロスもおとなしくなったといわれています。

亀の甲羅で作られた琴

 こと座はアラビア語でスーラット・アッ・シュリアークとよばれますが、ギリシャ語の亀を意味する言葉に由来します。これは亀の甲羅に弦を7本張った琴だということで、ギリシャ神話に一致します。ちなみに、こと座のβ星の星名シュリアクも、アラビア語のアッ・シュリアークからきています。

ベガは織姫星

 こと座のα星である1等星ベガは、七夕伝説に登場する織姫星です。天の川をはさんだわし座彦星(牽牛星、アルタイル)とは1年に1度、七夕の日にしかデートすることができない悲しい夫婦です。

 七夕の日となる7月上旬頃は梅雨の時期と重なる上に、天の川の高度がまだ低く、いまひとつ盛り上がりに欠けます。やはり七夕祭りは旧暦の7月7日(例年では8月頃)にしてほしいものです。

北極星になるベガ

 話は変わりますが、長い目でみると北極星は歳差運動によって次々と変わっていきます。そして12000年後頃にはベガが北極星として輝くことになります。詳しくは「つるぷらが描く珍しい天文現象」の中にある12000年後の日周運動を参照してください。

環状星雲(M57)環状星雲 M57

 こと座が作る平行四辺形のうち、南側の1辺の真ん中付近を天体望遠鏡で見てみると、恒星がにじんたような星雲状の天体がすぐに見つかります。倍率を高くしてみると、唇のような形をしているのがわかり、M57が環状星雲とかドーナツ星雲と呼ばれる理由がわかります。こぎつね座亜鈴状星雲と並んで、惑星状星雲の代表的存在なので、一度見ておかれるとよいでしょう。

4月こと座流星群

 4月16日から4月25日頃の間に活動し、4月22日か4月23日に極大となる流星群が、4月こと座流星群です。出現数は1時間あたりに10個くらいと少なめですが、過去には大出現した例が何度かあり、目が離せません。天候があまり良くない時期ですが、ひと晩中輻射点が昇っていますので、観測はいつでも行えます。特に輻射点が高くなる0時以降がオススメです。

※「つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレット」の中にある「流星群の見え方」ではこと座流星群の出現イメージを表示できます。