へびつかい座

南の空で高度60度で南中する日時のめやす

6月1日0時、7月1日22時、8月1日20時

へびつかい座の様子(6月・東の空)

へびつかい座の見え方

へびつかい座の見え方

へびつかい座(北側)付近の星図

へびつかい座(北側)

へびつかい座(南側)付近の星図

へびつかい座(南側)

将棋の駒の形

 さそり座の北側に大きな将棋の駒のような形の星の配列があります。これがへびつかい座です。α星のラス・アルハゲ(へびつかいの頭)は2等星で、まわりにはあまり明るい星がありませんので、探されるときはこれを目印にするのがよいでしょう。ラス・アルハゲを頂点に、κ星、δ星、η星、β星を順につなぐと、大きな将棋の駒の形ができあがります。へびつかい座は古い星座で古代バビロニア時代から存在し、トレミーの48星座の一つとなっています。

13番目の黄道星座

 黄道12星座といえば星占いに出てくる星座として有名ですが、実はへびつかい座にも天の黄道が通っています。しかも、お隣のさそり座よりも黄道が通る区間が長くなっています。そんなわけで黄道13星座としてもいいくらいなのですが、実は昔、黄道が通るあたりはさそり座の一部でしたから、そうもいかないのかもしれません。

へびを持つ名医の星座

 へびつかい座の星座絵を見ると、へびを持った巨人の姿が描かれています。この巨人はアスクレピオスという腕のいいお医者様です。ところがあまりにも腕が良すぎて、死者を次々とよみがえらせてしまいました。これにはさすがに大神ゼウスも困ってしまい、アスクレピオスを雷で打ち殺してしまいました。後にアスクレピオスをたたえて星座にしたのだそうです。

η星は天王星から見た北極星

 少し話がそれますが、惑星の天王星から見た夜空での北極星はへびつかい座のη星です 。「つるぷらが描く珍しい天文現象」の中にある天王星から見た星座を参照してください。

バーナード星

 へびつかい座β星の東側にバーナード星という9.5等星の星があります。この星は固有運動により、1年間になんと10秒あまりも移動しています。10秒といえばごくわずかなように思いますが、360年で1度も移動するのですから、恒星の年間移動量としては非常に大きな数字です。また、西暦11800年頃には、太陽から3.8光年のところまで近づき、太陽から最も近い恒星になるでしょう。また同じ頃、西暦12500年頃には、1972年に打ち上げられた木星探査機パイオニア10号が、バーナード付近に到達するのだそうです。

※「つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレット」の中にある「過去と未来の星座−2−」では、恒星の固有運動による星の位置の変化がわかります。(バーナード星は暗いため表示されません。)

M12球状星団 M12

 へびつかい座付近にはたくさんの球状星団があります。M9、M10、M12、M14、M19、M62、M107などがそれですが、この中で一番見ごたえのあるM12を紹介しましょう。M12は将棋の駒の中央部からやや南西寄りに位置します。球状星団としてはかなりまばらな方なので、天体望遠鏡で倍率を上げると、中心から枝のような星の並びが見えてきます。