8月1日23時、9月1日21時、10月1日19時
や座の見え方 |
や座付近の星図 |
や座は全天で3番目に小さな星座である上に、4等星という暗い4個の星で形づくられています。ですから、都会の夜空で見つけるにはちょっと厳しいかもしれません。しかし、田舎から見た綺麗な夜空では、5個の星が細長いYの字形に並んでいます。これがちゃんと矢の形に見えますから、見ていて楽しい星座のひとつです。
や座はトレミーの48星座の一つに数えられます。暗くて小さな星座ですが、それだけ古くから注目されてきたということができるでしょう。
軍人アーレスと愛の女神アフロディア(ビーナス)との間に生まれた愛の神エロスは、キューピッドともいわれます。普通キューピッドは丸く太った体に翼があり、片手には2本の矢を持っていますが、この矢がや座になります。
キューピッドの持つ黄金の矢に射られた人は、その後最初に見た異性を好きになる話は有名ですね。そして、その話の続きをもうひとつ。キューピッドの持つ鉛の矢に射られると、百年の恋もさめてしまうのだそうです。そんなことを考えながらこの小さな星座を見てみるのも楽しいものです。
や座にはM71という球状星団があります。明るさは6.1等ですから、双眼鏡でも小さくてぼんやりした姿が確認できます。密集度が低いため、小型の天体望遠鏡でも球状星団っぽい雰囲気を楽しむことができます。