おおいぬ座

南の空に高度30度で南中する日時のめやす

1月1日0時、2月1日22時、3月1日20時

おおいぬ座の様子(1月・南の空)

おおいぬ座の見え方

おおいぬ座の見え方

おおいぬ座付近の星図

おおいぬ座付近の星図

大きな犬の星座

 おおいぬ座はもちろん、こいぬ座に対して大きな犬の星座です。アラビア語ではアル・カルブ・アル・アクバルと呼ばれ、大きい方の犬という意味です。おおいぬ座はオリオンの猟犬ではないかという説がありますが、定かではありません。おおいぬ座はトレミーの48星座の一つです。

全天一の1等星シリウス

 おおいぬ座を見つけるのはたやすいことです。なにしろ、全天で一番明るい1等星であるシリウスがあるからです。オリオン座の南東方向で白くギラギラと光っており、他のどの星よりも明るい星があれば、それは間違いなくシリウスです。シリウスの名は「焼き焦がすもの」という意味ですが、それもそのはず。シリウスの明るさは−1.5等星ですから、普通の1等星よりもずいぶんと明るく感じます。中国では天狼星(てんろうせい)とよばれますが、日本でもおおかみ星とよんでいる地域があります。シリウスはベテルギウス、プロキオンとともに、冬の大三角を作る星のひとつです。

 シリウスが明るいのは太陽の40倍の光を放っているせいもありますが、やはり、明るい星としてはケンタウルス座α星に次いで2番目に近い8.6光年という近い距離にあるためです。

 シリウスは2重星です。伴星は地球の大きさの2倍ほどの大きさしかありません。しかし、密度は水の40万倍という超高密度な星です。このような星は恒星の一生の最後の姿のひとつで、白色矮星として知られています。この星は条件が良ければ、口径が15cmくらいの天体望遠鏡で見ることができます。

カノープスを見つける

 おおいぬ座の星を使うとカノープスを見つけることができます。カノープスはシリウスに次いで全天で2番目に明るい恒星ですが、日本付近では南の地平線近くにしか顔を出さず、見つけにくい星としても知られています。おおいぬ座の南側に位置する3個の2等星、ε星とδ星とη星が作る角を四等分する直線を引きましょう。ε星側の直線を南へ延長するとカノープスが見つかります。

M41散開星団 M41

 シリウスの南には5等級の散開星団M41があります。付近は星の数も多く、なかなか見ごたえのある星団です。双眼鏡でも星がまばらに集まった姿を確認できます。