エリダヌス座

南の空に高度30度付近で南中する日時のめやす

12月1日23時、1月1日21時、2月1日19時

エリダヌス座の様子(12月・南の空)

エリダヌス座の見え方

エリダヌス座の見え方

エリダヌス座(北半分)付近の星図

エリダヌス座(北半分)

エリダヌス座(南半分)付近の星図

エリダヌス座(南半分)

長い川の星座

 エリダヌス座と言われても何の星座なのかわからない方も多いのではないでしょうか。エリダヌス座はエリダヌス川という長い河の星座で、トレミーの48星座の一つです。ローマではポー川、バビロニアではユーフラテス川、エジプトではナイル川に例えられています。また、アラビア語でもアン・ナハルといい、川を意味する星座とされています。

見つけ方

 エリダヌス座を見つける方法はオリオン座からたどることです。オリオン座は冬を代表する星座ですからすぐにわかりますね。オリオン座の1等星リゲルのすぐ南西からウネウネと蛇行しながらエリダヌス川は南下していきます。そして1等星アケルナルで終了となりますが、日本でアケルナルを見ることができるのは、南の地方のごくわずかしかありません。アケルナルは川の果てという意味です。エリダヌス座を探すときはオリオリ座が南中する少し前頃、その南西(右下側)にひらがなの「つ」の字を描くとよいでしょう。

大きな星座

 エリダヌス座は南北に70度も広がっており、とても大きな星座です。その広さは1138平方度もあり、全天で6位の広さを持ちます。下の星図を見れば全天に占めるエリダヌス座の大きさや南北の広がりがおわかりいただけるでしよう。

南北に大きく広がるエリダヌス座

エリダヌス座は大きな星座

フェアトンが落ちた川の星座

 ある時フェアトンという少年は太陽の車を操りました。しかし太陽の車を操るのは生まれて初めてでうまくいきません。とうとう太陽の車は普段通る道から外れてしまったからさあ大変。太陽の火があちらこちらへと燃え移り、天界が大火事になってしまいました。これを見ていた大神ゼウスは雷電の矢を放ち、フェアトンを車ごと打ち落としてしまいました。かわいそうなフェアトンはエリダヌス川へと落ちていったのだそうです。

 エリダヌス座の星たちを川に見立てたのは神話の中だけかと思ったら、実はそうでもないようです。イタリアではポー側、エジプトではナイル川、バビロニアではユーフラテス川など、地域を代表する地元の大きな川だと考えられていました。エリダヌス座が川に見えるかと言われたらちょっと自身がなくなってしまいますが、空が暗い場所からじっくりと何度も見ていると、次第に川に見えてくるのかもしれませんね。

オズマ計画

 未知の宇宙人に向けて地球という星から人類のメッセージを送ろう。以前にそんな計画がありました。太陽系の構成やDNAのらせん構造、人間の形などを電波に乗せて発信するのです。これはオズマ計画とよばれ、実際にいくつかの星にむけて電波が発せられました。そのうちのひとつがエリダヌス座ε星です。ε星は太陽と性質がよく似ているうえに惑星を連れていると考えられ、しかも距離が10.5光年しかなく、計画実行に最適な天体だったからです。果たしてε星から何か返事が返ってくるのでしょうか? 現在では、ε星の周りにはチリでできた円盤が取り巻いており、木星クラスと木星の10分の1クラスの二つの惑星が存在することがわかっています。