赤道座標系(せきどうざひょうけい)
赤経・赤緯(せっけい・せきい)

星の位置を決めるための座標系のひとつです。赤道座標系を使うと、観測地や時間によらずに星の位置を決めることができます。位置を表すのには赤経と赤緯が用いられます。地球上である地点を表す場合に経度と緯度を使いますが、これと同じようなものと思ってください。

赤緯の決め方

 地球の赤道を空へ延長した方向を天の赤道といい、赤緯を0度とします。また、地球の自転軸方向を延長した方向のうち、北半球側を天の北極といい、赤緯がを+90度とします。同様に自転軸の延長方向の南半球側を天の南極といい、赤緯は−90度とします。赤緯の略号はδ(ギリシャ文字でデルタ)で表します。

赤経の決め方

 赤緯線に対して垂直な方向が赤経になります。赤経の基準が必要になりますが、春分の時に太陽がある方向を赤経の0度します。ここから東側方向へ角度で表したものが赤経です。赤経の略号はα(ギリシャ文字でアルファ)で表します。
 赤経は0度から360度で表す場合もありますが、24時制で表すのが一般的です。

  1時(h)=15度
  1分(m)=1/60 h=0.25度
  1秒(s)=1/60 m=0.004167度

長い時間が経つと・・・

 先に「赤道座標系を使うと時間によらず星の位置が決まる」と書きました。しかし、長い年月で考えるとこの表現は正しくありません。歳差運動のため、地球の自転軸の方向がゆっくりと動いているためです。このため、赤道座標系を使う場合、いつの時点での星の位置なのかを言っておく必要があります。これは分点と呼んでいます。例えば2000年の位置なら2000年分点といった言い方をします。星図などでは必ず○○年分点と書かれています。

※つるちゃんのプラネタリウムでは特別な場合を除いて2000年分点を使用しています。


関連用語:天の赤道 天の北極 天の南極 地平座標系 歳差運動 分点

つるちゃんのプラネタリウム 天体観測の用語