月食(げっしょく)

皆既月食月食は月が地球の影に入ることにより、月が食される(欠けて見える)現象です。このとき、太陽−地球−月の順に並んでいますので、月食は満月の時にしか起こりません。

地球の影には本影と半影があります。半影に月が入る場合を半影月食と呼びますが、肉眼で見ても見た目はほとんどわかりません。普通の満月が輝いているだけです。しかし、写真に撮影すると赤っぽくなった月が写ります。本影に入った場合がいわゆる月食となり、月が本影にかかっている部分だけ欠けているように見えます。月の一部分だけが欠ける月食を部分月食といいます。そして地球の影に月が全部入った場合は皆既月食になります。

月食の場合、地球の直径が月と比べて大きいため、皆既月食となる確率が高くなります。月が地球の影の奥に進むほど、月は赤銅色に染まって見えます。太陽光線が地球の大気を通過する時に青い光は吸収、散乱されてしまい、赤い光だけが地球の影の奥まで届くからです。同じ皆既月食の場合でも、色が毎回異なります。これは地球の大気中のチリなどの分散具合によると言われていますが、実際にどのような色に見えるかはその時に見てみないとわかりません。

月食の場合は日食と違って観測地によって見え方はさほど変わりません。沖縄で見た場合でも北海道で見た場合でも同じような経過を見ることができます。しいて言えば、月の位置と欠ける方向が少し違うくらいです。

月食の楽しみ方

皆既月食
 皆既月食の場合はまず、その色に注目しましょう。月は欠け方が大きくなるほど、赤っぽくなっていきます。色の赤っぽさは毎回異なりますが、赤銅色に染まった月を眺めると、何か幻想的な気分になりますよ。
部分月食
 部分月食の半月(または三日月)と普通の半月(または三日月)とを双眼鏡か天体望遠鏡でのぞいて見比べてください。大きく違っている点に気づきます。それは月食中の月の場合、クレーターが見えないことです。月食中の月が欠けているといっても実際は満月です。満月の場合は月の正面から光が当たるので、クレーターの影ができにくく、立体感がつかめません。これに対して、半月や三日月の場合は光が斜めから当たるので影ができ、このため立体感が出てクレーターがはっきりとわかるのです。

つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレットの中にある日食・月食では月食を検索することができます。今後どのような月食が起きるのか、表示させてみましょう。


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