日面通過、太陽面通過、日面経過
(にちめんつうか、たいようめんつうか、にちめんけいか)

内惑星が内合となった時に、太陽と内惑星がほぼ同じ方向に来る場合が稀にあります。このとき、地球から見ると内惑星が太陽面を通過していくのが観測できます。これを内惑星の太陽面通過(または日面経過、日面通過)と呼びます。
 太陽面通過は日食の場合とは異なり、国内では観測地によらずほとんど同じような通過を楽しむことができます。

2004年6月8日の金星太陽面通過
(当サイト読者、ブン太郎さん撮影)

1761年と1769年には金星の太陽面通過が起こりました。この時は、1742年に没したハレーによる生前からの呼びかけにより、地球から太陽までの距離を導き出すための観測が世界各地でなされました。
 2回目の観測の結果、地球から太陽までの平均距離は1億5300万Km±100万Kmと計算されました。

水星の太陽面通過

 太陽面通過はかなり珍しい現象です。水星の場合は公転軌道の関係から、5月か11月にしか太陽面通過は起こりません。視直径は10秒ほどしかありませんから観測には望遠鏡が必要になります。「将来の天文現象」の中にある2006年11月9日水星日面通過を参照してください。

金星の太陽面通過

 水星の太陽面通過も珍しい現象ですが、金星の太陽面通過となると更に珍しい現象です。前回は2004年6月8日(「つるぷらが描く珍しい天文現象」の中にある金星の日面通過 2004年を参照してください)で、これはナント、国内では130年ぶりの現象でした。

 また、その8年後となる2012年6月6日にも日本で観測されました。金星の太陽面通過 2012年6月6日を参照してください。

 金星の見かけの大きさは1分弱あり、水星の5倍の大きさがあります。見ごたえは十分でしょう。また、水星の場合と比べると金星は地球の近くにいる分だけ移動が速いのも特徴です。

太陽光線の対策をお忘れなく

 太陽面通過を観測する場合はくれぐれも強い太陽光線の対策を十分に行ってください。太陽光線の対策は「天文用語ミニ解説」の太陽を参考にしてください。


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