月(つき)

月は地球の周りをまわる唯一の衛星です。月の半径は1738Kmですが、これは地球の半径6378Kmの3.7分の1に相当します。双子惑星とまではいきませんが、冥王星のぞいてこれほど大きさの似通ったペアは他にはありません。

月の自転周期と公転周期は同じ27.3217日です。ですから地球から見た月は常に同じ面を向けていることになります。月の模様の「うさぎのもちつき」が必ず見えるのはこのためです。自転周期と公転周期が簡単な整数比となる場合はめずらしくありません。その方が安定するためだそうですが、つるちゃんにはよくわかりません。

月の表面はクレーターと呼ばれる穴が無数にあいています。これらは隕石が衝突してできたものですが、月が以前からこれだけ隕石の攻撃にさらされてきたことを物語っています。当然お隣の地球も同じように隕石の攻撃を受けてきたはずですが、地球にはあまりクレーターは見当たりません。どうしてでしょうか。
 それは地球の大気のおかげです。たいていの隕石は地球へ飛び込んできても、大気との摩擦で地表に到達する前に燃え尽きてしまいます。これらは流星や火球となって地表からも観測されます。一方の月には大気がありませんから、隕石は直接表面に激突します。しかも大気がなく風も吹きませんから風化せずにいつでも形が崩れずに残っています。ですから無数のクレーターがあるのです。

月は満ち欠けをしますが、これは月齢という数値で表します。月齢とは新月から数えて何日目にあたるかを表したものです。月のクレーターを観測する場合は三日月から上弦の月くらいが良いでしょう。時間的に夕方に観測できますし、太陽の光が斜めから当たるため、クレーターに影ができて立体的に見えて観測しやすいのです。

月齢 3前後 7〜8前後 14〜15前後 22〜23前後 29〜1前後
呼び名 三日月 上弦の月
(半月)
満月 下弦の月
(半月)
新月
宵に見える位置 西の空 南の空 東の空 明け方に南の空 太陽と同じ方向


※「つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレット」の中にある月齢カレンダーを使うと、月の満ち欠けを調べることができます。

月の観測ポイント

クレーターを見よう

 ・残念ながら肉眼ではクレーターは見えません。双眼鏡か天体望遠鏡を用意しましょう。
 ・クレーターが見やすくなる三日月から半月の頃をねらいましょう。
 ・満月の頃は月全体の立体感がなくなり、クレーターを見るのは難しくなります。
 ・クレーターは倍率の低い双眼鏡でもその迫力ある姿を満喫できます。
 ・天体望遠鏡でもあれば声を失うくらいの大迫力映像を楽しむことができます。
 ・慣れてきたらクレーターが重なる様子や、クレーター付近に撒き散らされた白いスジにも注目します。

天体望遠鏡や双眼鏡で自分も月を見てみたいという方は、「天体観測入門」の中にある「天体望遠鏡の選び方」、「双眼鏡の選び方」も合わせてご覧ください。


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