彗星(すいせい)ヘールボップ彗星

彗星は尾を持つ天体として知られています。中でも76年ごとに現れるハレー彗星は有名で、彗星の代名詞になっています。他にも最近では1996年の百武彗星、右の写真にある1997年のヘール・ポップ彗星と2つの大彗星が地球に近づいて話題になりました。あのような美しい尾はどのように形成されるのでしょうか。そもそも彗星は汚れた雪だるまにチリが付着したようなものだと考えられています。これが太陽に近づくと太陽熱で熱せられ、ガスや塵が噴き出してあのような尾になるのです。彗星から発せられた塵は流星群の源となります。しかし繰り返して太陽に近づいているうちに彗星本体は次第にやせ細っていき、尾はできなくなって小惑星と見分けがつかなくなっていきます。

それでは彗星はどこからやってくるのでしょうか。それは太陽系のはるか遠くにあるオールトの雲と呼ばれる彗星の巣のような場所からやってきます。ですからほとんどの彗星は周期が大変長く、非常に細長い楕円であり、2度と太陽系には戻ってこない放物線軌道や双曲線軌道を描くものも多くあります。人が生きている間に何度も現れる彗星は少数派ともいえるでしょう。そんなわけで大彗星が見られるのは運頼みというのが実情です。

彗星は毎年10個から数十個発見されていますが、小惑星の場合とは異なり、3人までの発見者の名前が付けられます。あなたも彗星を発見すれば自分の名前が彗星の名前になるのです。あなたも一度、彗星探索にチャレンジしてみませんか。

[彗星を見るときのポイント]

夕方か明け方に見やすくなる
 ・彗星が明るくなる時は夕方の西の空か明け方の東の空の低い位置に見えます。

彗星は淡い天体
 ・一般に彗星は淡く星雲状に拡散しています。
 ・よほどの明るい彗星以外は双眼鏡くらいは必要になります。
 ・中心部の核とそれを取り巻くコマ(淡く拡がった部分)が見えることを確認してください。
 ・天体望遠鏡の場合、場合によりますが、倍率はあまり上げない方が見やすくなります。
 ・尾もいっしょに見る場合は双眼鏡が優れています。10倍くらいまでの低い倍率がよいでしょう。
 ・双眼鏡で見る場合は手ブレを起こさないように工夫してください。見え方が全然違ってきます。



関連用語:太陽系 惑星 オールトの雲

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