衝(しょう)

惑星は太陽の周りを公転する時に、別の惑星を追い越したり追い越されたりしています。このことは地球の場合でも同じです。ケプラーの法則により太陽に近い天体ほど速い速度で公転するので、地球は内惑星に追い越され、外惑星を追い越します。このうち地球が外惑星を追い越す時には太陽−地球−惑星の順に一直線に並びますが、これを衝と呼んでおり外合とは逆の位置関係となります。内惑星の場合は衝は起こりません。

外惑星を観測する場合は衝の頃が最も良い条件で観測できます。地球との距離が最も近くなるため大きさが大きく、明るく見えるからです。特に火星の淡い模様は距離によって見え方が大きく異なりますので、衝の頃を見計らって観測しなければなりません。(注:地球や惑星の公転軌道は真円ではなく楕円であることや、地球の軌道面に対して惑星の軌道面が傾いているため、必ずしも、衝の日付=最接近の日付になるとは限りません。)
 また、衝の時には惑星は太陽とちょうど反対側にあるため、真夜中に南中します。言い換えれば、惑星を一晩中観測できることになり、この意味からも衝の頃が観測に適しています。



関連用語:外惑星 外合

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