東空(明け方)のリニア彗星の位置

2004.1.17 新規

 リニア彗星は1月から3月頃の間は西空に見えていますが、この時期のリニア彗星はまだ地球からの距離が遠くて明るさも暗いため、天体望遠鏡でもない限り観測にはあまり適していません。その後、いったん夜明け前の東天にまわりますが、高度があまり高くならず、条件は必ずしも良いとはいえません。

 下の絵は日の出時刻または日の出時刻1時間前の東の空を中心とし、リニア彗星がどちらの方向に見えるかを図示したものです。絵を見ると日の出時刻のリニア彗星の高度が10度を超えるのは4月上旬からです。しかし、この頃ではまだ彗星の明るさが5等台後半と暗いうえに、高度もまだ不十分で大気の影響をうけてしまい、観測は難しいと思われます。

 比較的見やすくなるのは日の出時刻の彗星の高度が20度くらいとなる4月20前後から5月4日頃ではないでしょうか。彗星の光度は4月20日で4等台前半、5月4日で3等台前半になっていると考えられます。

 その後彗星は急速に明るくなりますが、残念ながら高度を急速に下げて太陽に近づいていき、日本からは観測ができなくなってしまいます。最後に、気になる月明かりですが、5月3日以降は夜明け前には満月過ぎの大きな月がありますので、できれば5月2日までに観測した方が無難かと思います。

日の出時刻のリニア彗星の位置(東京の場合)日の出時刻のリニア彗星の位置


日の出1時間前のリニア彗星の位置(東京の場合)日の出1時間前のリニア彗星の位置


つるちゃんのプラネタリウム ニート彗星、リニア彗星 完全解説