西空(夕方)のリニア彗星の位置

2004.1.17 新規

 リニア彗星は1月から3月頃の間は西空に見えていますが、この時期のリニア彗星はまだ地球からの距離が遠くて明るさも暗いため、天体望遠鏡でもない限り観測にはあまり適していません。その後、いったん夜明け前の東天にまわりますが、5月の下旬になると、リニア彗星は再び夕方の西空に姿を見せるようになります。日本国内から見た場合の本命はこの時期といってもよいでしょう。

 下の絵は日の入り時刻または、日の入り時刻1時間後の西の空を中心とし、リニア彗星がどちらの方向に見えるかを図示したものです。絵を見るとリニア彗星は5月23日頃から観測できるようになることがわかります。この頃の明るさが最も明るく、その明るさは2等台後半、尾の長さも最も長く伸びています。その後、彗星はジワジワと高度を上げていき、6月上旬頃が最も高度が高くなります。しかし、彗星の明るさは5等台にまで落ちていますから、肉眼で見るのはちょっと厳しい明るさです。

 月の光は淡い彗星の光をかき消してしまいます。その意味では彗星を良い条件で観測しようと思えば月の条件も考慮しなければなりません。しかしながら、5月23日は月齢4の月明かりがあります。その後はどんどんと月が太っていきますので、月明かりの影響を受けてしまいます。

日の入り時刻のリニア彗星の位置(東京の場合)日の入り時刻のリニア彗星の位置


日の入り1時間後のリニア彗星の位置(東京の場合)日の入り1時間後のリニア彗星の位置


つるちゃんのプラネタリウム ニート彗星、リニア彗星 完全解説