過去の大彗星

2003.11.15 新規
  

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 ここでは過去に現れた彗星のうち、特に私たちの印象に残っているもや話題性に富んだ大彗星をピックアップして紹介します。2004年に接近するニート彗星とリニア彗星も、後に振り返ったとき、大彗星として紹介される日がくるのでしょうか。


池谷・関彗星池谷・関彗星−1965年・秋

 日本人のアマチュア天体観測家の池谷(いけや)さんと、関(せき)さんによって1965年に発見された彗星です。夜明け前の東天で長大な尾をたなびかせる姿が肉眼でもはっきりと捉えることができ、多くの人を熱狂させました。今とは空の事情が異なり、淡い尾の部分まで肉眼でも見ることができたという面もあるのでしょうが、天文史に残る大彗星のひとつです。


ベネット彗星ベネット彗星−1970年・春

 ベネット彗星は20世紀で最も明るくなった彗星のひとつです。1970年の春頃、その明るさはマイナス3等級に達し、夜明け前の東天で20度ほどの曲がった尾が観測できました。頭部が非常に明るくて、まわりの他の星は見えなくてもベネット彗星だけは見えていたそうです。


ウェスト彗星ウェスト彗星−1976年・春

 1976年の春頃に夜明け前の東天でマイナス2等級の明るさで輝いたのがウェスト彗星です。ウェスト彗星は核が分裂したため大量のダストが放出され、美しく開いた尾が長さ30度にまで発達し、20世紀で最も美しい彗星だったといわれています。


ハレー彗星−1986年・春
1910年ハレー彗星のスケッチ
 ハレー彗星は76年の周期で地球に近づく大彗星として名高いのですが、前々回接近の1910年には尾の長さが180度に達したといわれるほどの大彗星となりました(つるぷらが描く珍しい天文現象の中にあるハレー彗星の長大な尾、および右のスケッチを参照)。

ハレー彗星(1986年) そんなこともあって、前回接近の1986年にはハレー彗星接近と大いに騒がれて期待も高まったのですが、条件があまり良くならずに3〜4等級ほどの明るさにしかなりませんでした。ですから私たちの期待とは裏腹に、逆にガッカリさせらた彗星でもありました。いちおう、つるちゃんも観測できましたよ〜。

 また、日本を含む各国から探査機がハレー彗星へ向けて打ち上げられ、初めて彗星の詳細な様子が捉えられました。



百武彗星百武彗星−1996年・春

 日本の故百武さんが発見した彗星で、1996年の春に地球へ接近して明るくなりました。空が明るめの都会の夜空でも大きな頭部がドーン見えて驚かされました。また、尾の長さは100度にも達し、当初の予想をはるかに上回る大彗星となって私たちを楽しませてくれました。


ヘール・ボップ彗星ヘール・ボップ彗星−1997年・春

 地球接近の2年以上も前に発見され、明るくなる彗星と前評判が高かった珍しい彗星です。彗星の大きさが大きかったため地球から距離が離れていたにもかかわらずマイナス1等級まで明るくなり、長期間にわたって良い条件で観測することができました。2004年に接近するニート彗星はヘール・ボップ彗星ほども大きくありませんが、似たような彗星ではないかと期待されています。