太陽とアイソン彗星の位置関係

 下の星図をご覧ください。11月29日にアイソン彗星が近日点を通り過ぎる際、地球から見える位置を、恒星を基準に1時間ごとにプロットしたものです。また太陽は、29日3時の位置です。太陽は固定されているように見えますが、実際には右から左へ時間とともにゆっくり移動しています。

 アイソン彗星は太陽の南西側(星図では右下側)から太陽へ近づいてきます。次第に北よりに位置を変えながら、29日3時35分頃に太陽へ最接近します。「星図ではその時刻に太陽へ一番近づいていないじゃないか。」と言われる方がおられるかもしれませんね。これは、三次元的なアイソン彗星の動きで考えると、太陽の右側手前方向から左上側奥の方へ通り抜けていく格好になります。物理的な距離の最接近が、見かけ上の最接近とは一致しないので注意してください。

 いずれにしても今回の接近では、太陽のすぐ近くをアイソン彗星が通過することがわかります。近くに強烈な太陽が輝いていますから、ひとことで三日月なみの明るさや、金星以上の明るさといっても、そう簡単に見えるものではありません。尾の向きも大きく変わっていきますから、もし実際に見れたら興味深いところですが、さすがに実際に確認するのは無理でしょう。最接近した後は、29日午前中から午後にかけて、北の方へどんどんと離れていきます。

 なお、この星図では上側が北になっています。肉眼でご覧になるときは上側が天頂になりますから、見え方が異なる点に注意してください。実際に観測される際は、他のページで紹介する星図もあわせてご覧ください。

11月29日、太陽とアイソン彗星の位置関係を示した星図(上が北)

※この星図は「つるちゃんのプラネタリウム シェア版」を購入いただいても表示することはできません。
※太陽位置は固定されているように見えますが、実際は右から左へゆっくりと移動しています。

つるちゃんのプラネタリウム 昼間にアイソン彗星を観測できる?