明るさの予報修正について

下方修正された明るさ

 アイソン彗星の明るさは、当初の予報ではピーク時に満月クラスの-13等級まで明るくなるといわれていました。しかし、その後の観測で増光のペースが鈍っていることがわかりました。このため当初の予想どおり明るくならず、ピーク時の明るさは-6等級から-7等級止まりではないかと見られています。また、太陽から離れて実際に観測できる頃の明るさは、3等級から4等級にとどまりそうです。

明るさの予報修正前の光度曲線
 
修正後の光度曲線

明るくならない理由

 アイソン彗星が発見された当初、木星軌道よりも外側という遠い位置にありました。それにもかかわらず明るく見えていましたから、アイソン彗星は大型の彗星だと考えられていました。しかし、その後の増光ペースが思わしくなく、思ったよりも小さな彗星なのかもしれません。また、アイソン彗星は今回はじめて太陽へ近づきます。このような彗星は途中で増光ペースが鈍り、思ったよりも明るくならないケースがよくあります。アイソン彗星もこのパターンにはまってしまっている可能性があります。

当サイトの内容修正

 実はしばらく前から、アイソン彗星が思ったほど明るくならない情報があるのを知っていました。しかし、記事を修正するのをためらいました。そりゃそうです。満月並みの明るさになり、長い尾をたなびかせた素晴らしい彗星の姿を思い浮かべ、つるちゃん自身も大いに期待していました。それを今さら暗くなった彗星の記事へ修正する気になれずにいました。再び予報がもと通りに修正されることを祈りながら・・・。

 しかし、近日点通過まであと1ヶ月少しのところまで近づいてきました。ここまでくると、さすがに放っておくわけにいきません。やむなく10月20日に、アイソン彗星ペーシを全面的に見直すことにしました。

期待をこめて

 修正記事を書いていく中で、「こんなにショボくなるのか!」と思ったのが正直な感想です。歴史に残る大彗星から、数年に一度見られる彗星まで、一気に格下げされた感じです。しかも太陽に近づいた際に、アイソン彗星が生き残れない可能性すらでてきました。本当に残念としか言いようがありません。とはいえ、彗星の予報はあてにならないもの。太陽に近づいた後に大増光しないとも限りません。歴史に残る大彗星へ予報が外れてくれることを願うばかりです。

 

 つるちゃんのプラネタリウム アイソン彗星