3月18日 尾の向きが変わってきたパンスターズ彗星

 月とパンスターズ彗星の接近から5日が経ちました。これまでパンスターズ彗星は西空で少しずつ高度を上げてきていました。しかし日没時刻での高度は、直近ではここ1週間くらいがピークです。その後は4月中旬にかけていったん少しずつ下がっていきます。そしてその後は、再び上昇に転じるという複雑な動きをみせます。

 下の星図は3月18日、日の入りから30分後の西空のようすです。3月18日の月齢は5.5とそれほど大きくありませんから、観測するには好都合です。彗星の明るさは2.7等と少々暗くなりました。高度は10.8度で、方位角は真西から北へ10.5度の位置です。この中へ3月18日をはさんだ前後5日(3月13日と3月18日)における、パンスターズ彗星の位置と尾を追加してみました。高度がどんどん上がっているように見えますが、日没から30分後という条件でみると、実際にはそんなことはありません。放っておくと星座は1日に1度のペースで高度が下がっていきますし、この時期は日の入り時刻がどんどんと遅くなっているからです。

 ところで、彗星の尾の向きに注目してください。図示されているのはイオンテイルとよばれる種類の尾です。3月13日には上からやや左側を向いていますが、18日には上からやや右側を向いています。そして23日になると、右上方向になっています。このように尾の向きが変わっていることがわかります。尾の見え方が変わるのも、彗星を天体観測する楽しみのひとつです。

日の入りから30分後の西空  3月18日を中心に5日前と5日後の彗星位置を入れた

 つるちゃんのプラネタリウム パンスターズ彗星の観測ガイド