4月5日 アンドロメダ大銀河に接近

 4月上旬、パンスターズ彗星がアンドロメダ大銀河に近づきます。アンドロメダ大銀河は、私たちの銀河系のお隣に位置する銀河として知られています。空が暗い場所から見ると、アンドロメダ座の中に肉眼で見てもボーッとした光の塊に見えます。ここへパンスターズ彗星が接近し、最も近づく4月5日には約2.5度まで近づきます。4月2日から4月8日にかけては5度の間隔を保ちますから、7倍くらいの双眼鏡なら楽に同一視野におさまるくらいの距離です。この機会に2つの天体の競演をぜひお楽しみください。

4月5日の夜明け前

明るさ

 4月5日はパンスターズ彗星がアンドロメダ大銀河へ最も近づく日です。特に夜明け前は4月に入ってパンスターズ彗星が高度を上げており、暗夜で観測することができるので好都合です。この日の明るさはは5.0等ですから、アンドロメダ大銀河の4.3等に近い明るさです。しかしこの日は月齢24.0という、だいぶ太い目の三日月があります。月明かりの影響を多少受けそうです。
位置と星図

 下の星図をご覧ください。東京で日の出から1時間半ほど前、北東の空のようすです。東京の場合だと、3時55分から空が明るくなり始めますから、暗夜で天体観測することができるギリギリの時間帯です。彗星はちょうど北東の方角に見え、高度は9.3度ですから、まずまずの条件です。
アルフェラッツから見つける

 それでは見つけ方を紹介しましょう。地平線に近いアンドロメダ座のα星、アルフェラッツ(2.1等)からたどるのがわかりやすいですが、地平線に近いのが難点です。彗星はアルフェラッツの左側、やや上方向へ延長した位置に見えます。アルフェラッツと彗星の距離は12.9度離れていますから、一般的な7倍の双眼鏡では視野2個分ほどの間隔です。左下側に見えるのがアンドロメダ大銀河で、右上側に見えるのがパンスターズ彗星です。
カシオペア座からたどる

 もうひとつ、カシオペア座からたどる方法もあります。カシオペア座といえばW字形で有名ですが、北北東の比較的低い位置でW字を少し斜めにしたような格好をしていますので、わかりやすいでしょう。W字の一番右上の星、β星(2.3等)からみて大きく右下方向にパンスターズ彗星とアンドロメダ銀河があります。カシオペア座β星と彗星の距離は18.2度も離れていますから、ちょっと難しいかもしれません。

4月5日、日の出から1時間30分前、北東の空

4月5日の夕方

悪い条件

 次に夕方の場合をみてみましょう。夕方は明け方の場合と比べると条件が悪くなります。できるだけ明け方に見られることをおすすめします。

 下の星図は日の入りから40分後、北西の空のようすです。パンスターズ彗星の高度は9.1度ですが、明け方の場合と比べて大きく異なるのは、空がまだまだ明るく、条件が悪いことです。ぼんやり見える天体は周囲の明るさに負けてしまって、相当見づらくなってしまいます。
王道の見つけ方

 夕方の場合、パンスターズ彗星をたどるのは、アンドロメダ座のβ星(2.1等)からたどるのが王道でしょう。この星から右側へμ星(3.9等)、υ星(4.5等)とたどるのです。アンドロメダ大銀河はυ星の右上にあり、パンスターズ彗星は少し離れて右の方にあります。空が暗ければ王道ともいえる一般的な見つけ方ですが、周囲が明るい状態なだけに、双眼鏡を使ってもうまくたどり着けないことも考えられます。春霞などがなく、空が晴れ渡っていることに期待しましょう。

4月5日、日の入りから40分後、北西の空

 つるちゃんのプラネタリウム パンスターズ彗星の観測ガイド