4月16日 東京で周極星に

 パンスターズ彗星は3月に日本から観測できるようになって以降、ただひたすら北へ北へと進んでいます。言い換えると北極星に向けて移動していることになりますが、東京くらいの緯度の地点ではついに、4月16日に周極星となります。周極星とは一日中沈まない星のことで、観測条件を無視すればパンスターズ彗星を一晩中観測できることになります。

 下の星図は周極星となった4月16日にパンスターズ彗星が見える位置を示したものです。補助線はいつもの方位線と高度線ではなく、赤経線と赤緯線としました。パンスターズ彗星はカシオペア座に近づいており、赤緯の値が大きくなってきています。明るさは5.9等ですから、見つけるには双眼鏡が必要になります。北東の空低くに見えるカシオペア座に近づいており、位置的には探しやすいでしょう。カシオペア座α星(2.3等)の右側、4.1度のところにありますから、10倍くらいの双眼鏡ならどうにか同一視野で見られるかどうかといった間隔です。

 周極星となった後のパンスターズ彗星は、天の北極を目指してますます北上します。そして5月末には、北極星へ5度の距離まで近づきます。太陽からも地球からも遠ざかりつつあり、二度と帰ってこないパンスターズ彗星を見送りましょう。

カシオペア座に近づいて周極星となるパンスターズ彗星

つるちゃんのプラネタリウム パンスターズ彗星の観測ガイド