カタリナ彗星(C/2013 US10 Catalina)の移動経路

 ここでは、2015年の10月下旬から2016年の2月上旬まで、カタリナ彗星(C/2013 US10 Catalina)が移動する経路を示した星図を掲載します。

10月下旬から12月上旬

 この時期のカタリナ彗星は動きが緩やかです。星座でいうと、ケンタウルス座→うみへび座→てんびん座→おとめ座 の順に移動し、ひたすら北上すると言っても過言ではありません。そんな折、11月16日の近日点通過は、おとめ座と てんびん座の境界付近で起こります。

10月下旬から12月上旬の経路(7日間隔)

12月上旬から12月下旬

 カタリナ彗星が地球へ次第に近づいてくるため、見た目上の動きが少しずつ大きくなってきます。しかし、ひたすら北上するのは変わらず、おとめ座→うしかい座へ移動します。12月17日に天の赤道を超えて北半球へ入る経路をとりますので、日本などの北半球では観測条件が良くなります。

12月上旬から12月下旬の経路(5日間隔)

12月下旬から1月上旬

 年末年始にかけて、うしかい座→りょうけん座の順に移動しながら、引き続き北上します。年が変わった2016年の元旦から1月2日にかけて、カタリナ彗星とうしかい座の0等星アークトゥルスが大接近します。

12月下旬から1月上旬の経路(3日間隔)

1月中旬

 りょうけん座から北斗七星のあるおおぐま座に入ります。北斗七星の柄の星、η星とζ星を目印にすると見つけやすいでしょう。1月17日に地球へ最接近することから、カタリナ彗星の移動量が大きくなります。またこの日は、M101(回転花火銀河)に近づきます。

1月中旬の経路(3日間隔)

1月下旬

 天の北極に近づいてくるため、星図の図法を変更しています。その関係で下の星図は地平座標系で表示されていますのでご注意ください。1月下旬は、おおぐま座→りゅう座へ入りますが、その後はきりん座との境界付近を移動していきます。

1月下旬の経路(3日間隔)

※地平座標による。日を追って右上から左下へ移動する。

1月下旬から2月上旬

 引き続き星図は地平座標系で表示しています。りゅう座ときりん座の境界付近を通った後は、きりん座を大きく横切ります。引き続き1日あたりの移動量が大きいですが、カタリナ彗星が地球から遠ざかっているため少しずつ小さくなっていきます。終始北上を続けてきましたが、2月1日には北極星へ8度台前半まで近づき、以降は南下に転じます。

1月下旬から2月上旬の経路(3日間隔)

※地平座標による。カタリナ彗星は左下方向へ移動する。