肉眼彗星

 肉眼彗星とは文字どおり、肉眼で見ることができる彗星のことです。普通の視力の持ち主が、肉眼で見ることのできるぎりぎりの明るさは、6等星と言われています。そんなこともあって、肉眼彗星は6.0等よりも明るいものを指すことが多いようです。しかし、彗星は恒星と違って光が一点に集まっておらず、ぼんやりした天体です。公表される明るさは、ぼんやりした光を一箇所に集めた時の明るさですから、6等級の彗星を実際に肉眼で見るのは難しいでしょう。

 近年は全天サーベイの稼動により、非常に暗い彗星まで発見されるようになりました。このため毎年数十個のペースで発見されています。しかし、肉眼彗星に達するほど明るくなるものは少数です。そんな中、最近出現した肉眼彗星のうち、観測しやすかったものや印象に残ったものを表形式でまとめましたので参考にしてください。

観測された年 名称 明るさ
(目安)
特徴
2004年 ブラッドフィールド彗星 3等 尾が伸びた
2004年 ニート彗星 3等 ずんぐりむっくり
2004年 マックホルツ彗星 4等 すばると競演
2006年 シュワスマン・ワハマン第3彗星 4等 核がいくつもに分裂
2006年 スワン彗星 4等  
2007年 マックノート彗星 -6等 白昼に観測された大彗星
2007年 ホームズ彗星 2等 一気に40万倍に増光
2009年 鹿林(ルーリン)彗星 5等  
2010年 マックノート彗星 5等  
2011年 ラブジョイ彗星 -4等 消滅せず太陽から生還、南半球で長い尾
2013年 パンスターズ彗星 0等 春霞の夕空で
2013年 ラブジョイ彗星 5等  
2014年 ラブジョイ彗星 4等 年末から北半球で長期間見られる