2020年も半影月食が3度見られる

 2016年に続いて2020年も、半影月食が3度見られます。2016年と違って2020年はギリギリ半影をかすめるといったものはなく、余裕で年間3度の半影月食を達成します。 

半影月食とは

 地球が作る影のうち、太陽光が届く部分の影を半影といいます。半影の中に入った月は、日食でいうところの部分日食のような状態になります。月面には太陽光が届いていますので、月面は明るいままです。このため半影月食を肉眼で見ても、本影月食(いわゆる月食)のように月が欠けているようには見えません。(普通の満月のように見えます。)
 
 このように肉眼で見づらい半影月食ですが、食分が大きい場合は、本影に近い側の月面が少し暗くなっているのに気づくことがあります。また写真撮影をすると、欠けている様子や赤っぽい色合いがほんのり写り、月食中であることがわかります。

半影月食が1暦年に3度見られるのは珍しい?

 2016年の記事を作ったときは、1暦年に3度も半影月食が見られるのは珍しいと思っていました。それというのも、つるちゃん自身には記憶がありませんでした。実際にザッと調べた限りでは、2016年の前に東京で見られたのは1973年で、43年ぶりのことでした。

 今後東京で見られる年を調べてみたところ、2049年、2056年、2085年、2096年にも起こるようです。こうしてみると、当初思っていたほど珍しい現象ではないのかもしれません。しかし、頻繁に起こっている現象でもなさそうです。

1月11日 食分0.92の半影部分月食

 半影月食の1回目は1月11日に起こります。今回は食分が0.92と大きいですから、月は地球の本影近くまで近づきます。このため、最大食となる4時10分ごろは、肉眼でも本影に近い側が少し暗くなっているのに気づくかもしれません。

半影食の始まり  1月11日  2時05.7分
食の最大 4時10.0分
半影食の終わり 6時14.4分
最大食分  0.92

2020年1月11日の場合

開始から最大食まで(19分間隔)

最大食から終了まで(19分間隔)

6月6日 また4時台に最大食

 半影食の2回目は6月6日です。

 食分は0.59と前回よりも浅くなっています。最大食となる時刻は今回も4時台で、4時25分です。しかし、前回の1月と違って今回は夜が短い6月です。東京では日の出も同じ4時25分ですし、月没が4時33分ですから、最大食の頃に観測するのは難しいでしょう。

 今回は全国的に月食中に月が沈みますから、全経過を見ることはできません。月没時刻は、札幌4時05分、東京4時33分、大阪4時53分、福岡5時17分、那覇5時45分などとなっており、西の地域ほど月没が遅くて有利です。北の地域など月没が早い地域では、最大食を見ることができません。
 
 といっても、そもそも半影食は肉眼で見るのが難しい天文現象です。こういった話をしたところで、あまり意味がないかもしれません。

半影食の始まり  6月6日  2時43.4分
食の最大 4時25.1分
半影食の終わり 6時06.6分
最大食分  0.59

2020年6月6日の場合

開始から最大食まで(15分間隔)

最大食から終了まで(15分間隔)

※高度がマイナスの場合、実際は見ることができません。

11月30日 夕方に食分0.85の半影部分月食

 3回目は11月30日です。この日は16時30分に始まりますが、東京では日の入りが16時28分ということで、日の入りとほぼ同時に半影食が始まります。最大食分が0.85ということで微妙ではありますが、最大食のころに注意すると、本影に近い側が薄暗くなっているのに気づくかもしれません。

2020年11月30日の場合

※このページのシミュレーション画像は、自作ソフト「つるちゃんのプラネタリウム シェア版」に含まれる「つるちゃんの日食ソフト」プラグイン機能を使い、ΔT=69.2秒を入力して計算したものです。画像データは正確な予報と比較して、時間換算で10秒以内の誤差を含みます。