ひな祭りの夜に皆既月食 2026年3月3日

 2026年3月3日の夕方、全国で皆既月食が見られます。3月3日といえば、ひな祭りですね。日本全国で皆既月食が見られるのは、2025年9月8日以来半年ぶりです。

 NASAが提供する月食図をご覧ください。日本ではP1のラインが西日本を通っています。これよりも左側では月が昇る前に半影食が始まります。しかし、半影食は肉眼でほとんどわかりませんので、気にする必要はありません。全国で始めから終わりまで皆既月食を観察できることがわかります。

月食が見られる地域(NASA提供の月食図)

 下の図は地球の影を通る月の経路を示したものです。赤い円は地球の本影です。この内に入ると太陽光が届かなくなり、月が欠けたように見えます。今回は月が本影の中へ完全に入り込みますから、皆既月食であることがわかります。

地球の影を通る月の経路

 下の絵は、右下の皆既食始まりを基準に、時間をさかのぼりながら11分間隔で月の欠け方を描いたものです。3月3日の18時49分に、月の左下から欠け始めます。
 
 皆既食は20時4分に始まります。皆既はちょうど1時間ほど続きます。21時3分に皆既食が終了すると復帰が始まり、22時17分に通常の満月に戻ります。

東京で前半の見え方
※右下の皆既食始まりを基準に、11分間隔でさかのぼる

後半の見え方
※左上の皆既食終了から11分間隔で表示

 下の図は、東京で見える位置を示したものです。ザッと言うと、東から南東の空で見られます。終了こそ高度は52度と高い位置ですが、開始は15度あまりしかありません。東の方角が開けた場所でご覧ください。

東京で見える位置(星座は最大食時のようす)

 次回は2028年7月7日に部分月食が見られ、2029年1月1日(元旦ですね!)には皆既月食が見られます。