除夜の鐘の後に皆既月食 2029年1月1日

 2028年から2029年に変わる夜、除夜の鐘を聞いた直後に皆既月食が見られます。元旦から皆既月食が見られるなんて、2029年はハッピーな一年になりそうですね!

皆既月食とは

 太陽と地球と月がこの順で一直線に並び、月が地球の影に入ると月食が見られます。特に月全体が地球の本影にすっぽり入ることを、皆既月食といいます。皆既月食になると月全体が赤っぽく染まり、普段見ることができないような美しい月の姿を見ることができます。皆既中の月の色や明るさは毎回異なりますから、今回どのように見えるかも楽しみの一つです。

 下の図は地球の影を通る月の経路を示したものです。赤い円は地球の本影です。この内に入ると太陽光が届かなくなり、月が欠けたように見えます。今回は月が完全に本影の中へ入り込みますので、皆既月食であることがわかります。

地球の影を通る月の経路

見られる地域

 NASAが提供する月食図をご覧ください。日本は全域が白い領域にあります。半影月食も含めて月食の最初から最後まで、全経過を見ることができるのがわかります。

月食が見られる地域(NASA提供の月食図)

欠け方

 下の図のうち上側は、左上の月食開始を基準に、10分間隔で月が欠けていく様子を描いたものです。年が変わった直後、0時7分ごろに月の左側やや下方向から欠け始めます。そのまま食が深まって0時40分ごろになると、ちょうど半分が欠けた状態になります。この頃から月全体が次第に赤みを帯びてきます。皆既食は1時16分に始まって、1時間13分間続きます。
 
 下側の図は、右下の月食終了を基準に、10分間隔で時間をさかのぼりながら欠けた様子を描いたものです。2時28分に皆既食が終了すると左上方向から光を取り戻し、3時37分に通常の満月に戻ります。

東京で前半の見え方
※左上の開始を基準に10分間隔で描く

後半の見え方
※右下の終了を基準に10分間隔でさかのぼる

見える位置

 下の図は、東京で見える位置を示したものです。南の空の高い位置で月食が始まります。その後は高度を下げながら西の方へ移動します。終了時点でも東京での高度は38.7度ありますから、高い建物などがなければ見やすい位置です。

東京で見える位置(星座は最大食時のようす)

次回

 次回は2029年12月21日に皆既月食が起こりますが、日本では多くの地域で、皆既になる前に月没を迎えます。

 

※このページのシミュレーション画像は、自作ソフト「つるちゃんのプラネタリウム シェア版」に含まれる「つるちゃんの日食ソフト」プラグイン機能を使って ΔT=69.2秒を入力し、独自に計算したものです。画像の時刻は正確な予報と比較して、10秒以内の誤差を含みます。