明けの明星が登場 2002年11月下旬
今年の10月頃までは夕方の西の空低くに見えていた金星ですが、11月になると明け方の東の空に見えるようになります。しかも、急速に高度を上げてくるので、11月下旬ともなると、空が明るくなり始める頃には高度が10度を越え、日の出直前には25度を越えてきますので、次第に人目につきやすくなってきます。
下の絵は11月25日の場合の例ですが、近くには春の星座であるおとめ座の1等星スピカと2等星の火星も見えていて、にぎやかな眺めとなっています。
明け方の金星の位置
日の出時刻の金星の位置変化を表したのが下の絵です。今年の年末から来年の年初くらいが最も高度が高くなり、南東の空に見えています。その後は次第に東の方向へ移動しながら、高度を下げてきます
金星の位置変化の様子
これから来年の年初にかけては、天体望遠鏡を使って金星の形の変化を楽しむのによい時期です。内合の前後には形や大きさが急速に変化し、この様子を小型の天体望遠鏡でも捉えることができるからです。次の内合は1年半以上待たなければならないので、この機会に天体望遠鏡で一度金星を観測してみてはいかがでしょうか。
金星の形と大きさの変化の様子