水星が東方最大離角 2005年3月13日

夕空で見つけやすくなる水星

 昨年暮れから今年の1月上旬にかけて、長期間にわたって金星と接近して話題を呼んだ水星ですが、この期間に初めて水星を見つけたという方もおられるのではないでしょうか。その反面、「早朝の話で寒くて起きれなかったよ」、という方もおられるようですね。あっ、つるちゃんもその口だったかもしれません!

 でもガッカリすることはありません。3月13日には水星が太陽から東方向へ最も離れる東方最大離角となり、夕方の西空で水星が見つけやすくなります。でも今回は、前回のように金星のような目印となる星はありませんので、その分見つけるのには骨が折れるかもしれません。

水星の位置

 下の絵をごらんください。東京における日の入り40後の西天の様子です。水星はほぼ真西に見えていますね。この頃の太陽もちょうど真西方向へ沈みます。ということは、日の入りの位置を確認しておけば、水星を探す際にもその方向を見ればいいわけですから、これは案外助けになります。12日、13日あたりは月も見えますので、これを目印にするのもよいでしょう。

 水星の明るさは13日の場合ではちょうど0等ほどですから、土星と同じくらいの明るさです。だとしたら簡単に見つけられそうに思うのですが、空は薄明状態である上に、水星の高度が低くて大気の影響を受けてしまい、意外と見えにくいものです。空の透明度が良い日をねらってみてください。視力に自信のない方は双眼鏡も準備しておかれるとよいでしょう。

 水星を見つけたら、もし可能ならば天体望遠鏡で観測してみてください。最大離角の頃なら半月形をした水星を確認することができるでしょう。ただし低空なので、気流の状態が良いときでないと少し難しいかもしれません。

2005年3月13日21時 東京での日の入り40分後、西空の様子
2005年3月13日 水星が東方最大離角

水星の位置変化

 下の絵は日の入り時刻における水星の位置変化を表したものです。水星は13日頃に高度が最も高くなっていることがわかります。それから、13日だけでなく前後1週間くらいは高度が高い状態が続きますので、13日しか水星が見られないわけではありません。

日の入り時刻の水星の位置変化

水星の明るさ

 水星は3月13日頃は0等級の明るさですが、日がたつにつれて光度はぐんぐんと落ちていきます。ですから、水星探しは3月13日をはさんで後半よりも前半の方が有利といえます。それでなくても見つけにくい水星ですから、できれば水星が明るい早い時期から挑戦してみましょう。

水星の光度変化