火星と天王星が接近 2005年5月15日〜16日

久しぶりの火星の話題

 火星といえば、2003年に地球へ大接近して大きな話題を振りまいたのですが、最近しばらくはあまり話題にのぼることもありませんでした。しかし、今年の10月には火星が再び地球へ準大接近。それに向けて少しずつ地球との距離を狭めてきているところです。火星の光度は1等〜0等くらいで、明るさの方も少しずつ増してきているところです。そんな火星ですが、5月15日から16日にかけて、天王星の近くを通り過ぎます。両者の距離は角度にして1度ほどですから、大接近とまではいきませんが、双眼鏡なら少々高い目の倍率でも同一視野で観測することができる距離です。

 天王星の明るさは6等級なので、普段なら相当条件に恵まれない限り、肉眼でその存在を確認することは難しいでしょう。たとえ、双眼鏡をお持ちの場合でも、天王星の見える位置をはっきりとつかんでいなければ、天王星を見つけるのには少し骨が折れるかもしれません。そんなわけで、天王星をお目にかかる機会は少ないのですが、この日ばかりは明るい火星が近くにいてよい目印となるので、簡単に捉えることができるはずです。この機会に、ぜひとも天王星を探してみてください。それから、もし天体望遠鏡をお持ちでしたら、できるだけ高い倍率で天王星を天体観測してみてください。独特の青緑色をしており、ちょっぴりですが面積を持つ天体であることがわかります。
 

2005年5月15日3時 東京での東天のようす
2005年5月15日3時 東京での東天のようす

2005年5月15日前後の火星の経路(上方向が北)2005年5月15日前後の火星の経路