火星が留 2007年11月16日

火星が留となり逆行へ

 2007年12月19日に火星が地球へ最接近しますが、11月16日に留となり、以降火星は逆行の動きをみせます。最接近に向けていよいよラストスパートといったところでしょうか。といっても今回の接近は、それほど騒ぎ立てるような大接近ではありませんが、天体望遠鏡を使えば火星表面模様をそれなりに楽しむことができるでしょう。

火星の動き

 下の絵は11月16日をはさんだ前後2ヶ月間にわたる火星の動きです。今火星はふたご座にいて、西から東へ少しずつ動いていますが、11月16日をはさんで動く方向を変えます。そして、以降は星座を背景にして東から西へと動いていきます。(日周運動の話をしているのではありませんのでご注意を・・)
 1週間ほど間隔をあけて観察すると、実際に火星が位置を変えていることがわかるでしょう。

2007年11月16日 留となる前後2ヶ月間にわたる火星の動き
留となる前後2ヶ月間にわたる火星の動き

明るさの変化

 下の絵は火星の明るさの変化を表すグラフです。11月にはすでにマイナス等級になっており、11月中旬頃には−1等級となります。そして最も明るくなる頃には−1.6等に達します。この頃の視直径は15.9秒ですが、2003年の火星大接近の時は−2.9等、25.1秒だったことを考えると、少しショボイ感じがするのは否めません。

火星の光度曲線
火星の光度曲線

11月に見える火星の模様

 下の絵は11月の22時に見える火星の模様を2日間隔で示したものです。火星の自転周期は24.6時間ほどですから、地球の自転周期とあまり違いません。ですから、翌日の同じ時刻に火星を観測したとしても、火星の模様にあまり大きな違いはありません。

 火星には濃い模様が見える側と、模様があまり見えない側があります。先の理由により、ある時刻に模様の見えない側を観測したとし、翌日の同じ時刻にもう一度観測してみたところで、残念ながらやはり模様は見えないことでしょう。そんな時は思い切って観測する時間帯を大きく変えてみることです。さもなくば、観測する日にちを大きくずらすしかありません。

 下の絵からわかりますように、22時頃に観測する場合では、11月27日頃に大シュルティスなどの濃い模様が観測できることがわかります。

22時に見える火星の模様
22時に見える火星の模様変化(2日間隔)


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