おとめ座で土星が衝 2011年4月5日

土星の細い環

 土星は2009年に環を真横から見る形になり、環が消失したように見えました。あれから2年弱がたち、少しずつですが環が開いてきています。といっても土星の公転周期は30年ですから、目いっぱい開くのにはその4分の1となる7年ほどかかります。まだまだ見づらい土星の環ですが、ひところよりも開いてきており、小型の天体望遠鏡でも環の形をハッキリと確認できるようになります。

 ところで今、土星はおとめ座の中に見えます。おとめ座といえば1等星のスピカですが、スピカからそう遠くないところに位置します。明るさではスピカよりも土星の方がワンランク明るい0等級ですから、見つけるのは簡単です。衝となる4月5日の21時頃なら、下の星図のように南東の空でスピカの上側に見えます。この方角に鈍い黄色をした明るい星を見つけましょう。

 この後しばらくの間、土星は星座に対して東から西(下の拡大星図では左から右)へゆっくりと移動します。この動きは逆行と呼ばれ、地球が土星を追い越すときに見られる現象です。6月14日まで逆行した後は西から東に向きを転じ、今度は順行とよばれる動きに変わります。

おとめ座の中央に見える土星



前後2ヶ月間にわたる土星の経路(拡大図)

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つるちゃんのプラネタリウム 天体観測ガイド2011年