火星が土星とスピカの間を通過 2012年8月14日から15日

 今年の土星はおとめ座の一等星スピカの近くにいます。太陽が沈んでから西南西の空に見える両星は縦に並んで見えますが、8月14日から15日にかけて、狭い両星の間を火星が通過していきます。火星がスピカに最も近づくのは14日の14時頃で、この時の間隔は1.8度です。また、火星が土星に最も近づくのは15日の18時頃で、間隔は2.7度です。

 3個の天体はほぼ同じような明るさをしており、いずれも1等星です。細かく見ると、最も明るいのは土星の0.6等です。次いでスピカの1.0等で、最も暗いのは火星の1.1等です。次に色を見てみましょう。土星は独特の鈍い黄色というか黄土色をしており、スピカは青白く、火星は赤色です。このように個性豊かな3個の天体が近づいたようすは、さぞかし夕空で人目を引くことでしょう。ぜひ注目してください。

夕空でスピカと土星に火星が近づく
8月15日の場合。上から土星、火星、スピカの順に並んでいる。


2日間隔で描いた火星の経路(右下から左上へ移動していく)
火星は土星とスピカの間を、右下から左上へ通り抜けていく

関連記事
  2012年7月25日 土星、スピカ、月が縦に並ぶ、右には火星も



つるちゃんのプラネタリウム 天体観測ガイド2012年