月と水星が近づく 2013年2月11日から12日
水星は地平線からの高度が高くなる機会が少なくて、見つけにくい惑星です。しかし、月が近づくとこれを目印にすることができるので、見つけやすくなります。好機は2月11日と12日に訪れます。
2月11日の見え方
まず2月11日の場合です。日の入りから30分ほどが経過した西空のようすを示した下の星図をご覧ください。水星の右側に月が近づいています。最も近づくのは12日の0時台で、4.5度まで近づきます。しかし下の図は17時50分のようすですから、間隔が少し広くなっています。この日の月は月齢が1.1で、糸のように細く下側が光っています。こんなに細い月を見つけるのは意外に大変なものです。一方、水星の明るさは-0.9等ということで、17日に起こる東方最大離角頃と比べると、少し明るい目となっています。マイナス等級だから見つけられるとたかをくくっていると、薄明の空で意外と苦労しますから、少し気構えてのぞんでください。
2月11日17時50分、西の空で月と水星が近づいたようす
月と水星を少し拡大した写真(2月11日撮影)
月齢1の写真(2月11日撮影)
2月12日の見え方
下の星図は翌日2月12日の場合です。月は水星から大きく上の方へ移動しています。月齢は一つ上がって2.1です。昨日と比べると月が明るくて見つけやすいですし、水星も月のほぼ真下に見えますから、位置的にもわかりやすいでしょう。
2月12日の場合
天体望遠鏡で水星を観測してみましょう。全体的に丸みを帯びた水星像となっていますが、よく見ると少し欠けています。金星と比べると像が小さいですし、高度が低くて大気の影響を受けやすいため、形を見極めるのは大変かもしれません。大気が落ち着いた瞬間に目を凝らしましょう。それから水星の下側には火星もありますが、こちらは1.2等の明るさです。周囲が明るいこの時間帯だと肉眼では少し厳しいかもしれません。双眼鏡を用意しておかれた方がよいでしょう。
天体望遠鏡で見た水星の形