水星が西方最大離角 2013年4月1日

 水星が4月1日に西方最大離角となります。西方最大離角とは、水星が太陽の西側へ最も離れた位置にやってくることです。水星は翌日の4月2日に遠日点を通過することから、太陽からの物理的な距離が、最も離れた位置にいます。少し意味合いは異なりますが、太陽からの離角が大きくなる環境が整っているといえます。2013年に起こる6回の最大離角のうちでは、今回4月1日の離角が最も大きくなっており、27度50分に達します。さらに調べてみると、この値はここ10年間で最大となっています。

 このように書くと、太陽から大きく離れて見やすいように思われるかもしれませんが、実際はそうでもありません。下の図は、日の入り時刻に水星がどの位置に見えるかを示したものです。地平線からの高度は27度50分どころか、10度をかろうじて超える程度です。太陽から地平線に対して垂直方向に離れてくれれば良いのですが、実際は地平線をはうような方向に離れるため、離角は大きくても観測条件としては最も悪い部類となっています。

日の出時刻に水星が見える位置

 下の星図は西方最大離角となる4月1日、日の出から30分前の東天のようすです。日の出が迫っていることから、空はだいぶ明るくなっています。水星の明るさは0.3等で、高度は5.9度しかありません。低空まで見通しがきく東の方角が開けた場所から、空が澄んだ日に見つけられるか挑戦してみてください。

日の出から30分前 東の空

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