はくちょう座χ星が極大 2014年6月12日ごろ
はくちょう座χ星(χはカイと読む)は、408日周期で3.3等から14.2等までの範囲で大きく変光するミラ型長周期変光星です。これは、星の末期を迎えて星全体が不安定になっており、収縮と膨張を繰り返すことで、星の明るさが大きく変わります。変光範囲や周期は必ずしも一定ではなく、目安程度でしかありません。極大のころは肉眼でも見える明るさになりますから、極大の前後1ヶ月ほど、1週間ずつ間隔を開けて観測すると、星の明るさが変わっていることを確認できます。
下の星図をご覧ください。はくちょう座χ星は羽を広げた白鳥の首のあたりに位置しています。近くに3.9等のη星がありますから、極大の頃はこの星と明るさを比較するとわかりやすいでしょう。
なお、はくちょう座χ星の兄貴分にあたるくじら座のミラが、6月7日ごろに極大となります。しかしこちらは秋の星座ということで太陽に近く、観測には適しません。そんなこともあって、今年ははくちょう座χ星の変光星観測に挑戦してみてください。
はくちょう座χ星の位置(ピンク色の丸印の星)