海王星が衝 2015年9月1日

 現在、海王星は太陽系最果ての惑星です。7月に探査機ニューホライズンが、海王星よりも外側の軌道を回る冥王星に近づいて話題になりました。しかし、冥王星は準惑星に分類されていますから、太陽系最果ての惑星というわけではありません。

 海王星は9月1日に衝となります。通常ですと「衝になった惑星は地球に近づいて観測条件が良くなり・・・」、と書くところなのですが、いかんせん、海王星は遠すぎます。衝になったところで地球との距離があまり変わらず、たいして観測条件が良くなるわけではありません。しかし、真夜中に南中することから一晩中観測できて、こちらの面では多少観測条件が良くなります。

 海王星は現在、みずがめ座にあります。しかし、衝の頃でも29AU(天文単位)と非常に遠いところにあるため7.8等級と暗く、肉眼で見ることはできません。空が暗い場所ならともかく、空が明るい市街地では、双眼鏡ではなく天体望遠鏡が必要と思っておいた方がよいでしょう。

 天体望遠鏡で見た海王星は独特の青緑色をしています。視直径は2.4秒と小さいですが、200倍くらいの高倍率にすると、恒星と比べて少しだけ大きく見えて、面積を持った天体だとわかります。それでも海王星かどうか不安な方は、日にちを開けて観測してください。恒星に対して少しずつ移動していきますから、惑星であることが確認できます。




海王星の詳細位置

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