惑星同士の接近は毎年起こりますが、間隔が1度を大きく切り、超がつくような大接近はなかなか見られるものではありません。ところが2016年1月9日には、金星と土星が0度5分という 0.1度を切るところまで近づいて、超大接近となります。残念ながら両惑星が最も接近するのは13時15分で、日中のため肉眼で観測することはできません。しかし天体望遠鏡を使えばピッタリ寄り添った両惑星を観測することができるでしょう。
南西の低空で0.1度を切る超大接近! |
肉眼で実際に見ることができるのは、1月9日の夜明け前です。下の星図は最接近から7時間45分前、南東の空に見える金星と土星のようすです。通常掲載している星図よりも拡大したのですが、それでも両惑星がピッタリひっついていることがわかります。この時点で金星と土星の間隔は0.4度弱です。めったにお目にかかれない大接近ですから、見逃さないようにしてください。それから右方向へ
6.5度離れたところには、さそり座にある赤い1等星のアンタレスも見えますから、いっしょに色の対比を見比べてみてください。
南東の空で0.4度まで近づく金星と土星 |
なお、前後数日間は両惑星が接近した状態が続きます。この間は接近そのものを楽しめますし、接近して離れていく様子を日々観察するのも良いでしょう。特に超大接近となる翌日の1月10日は 0.8度と大接近状態が続いていますので、1月9日を見逃した方にオススメです。下に掲げた表と星図も参考にしてください。
日付 | 間隔 (5時30分) |
---|---|
1月5日 | 4.8度 |
1月6日 | 3.7度 |
1月7日 | 2.6度 |
1月8日 | 1.5度 |
1月9日 | 0.4度 |
1月10日 | 0.8度 |
1月11日 | 1.9度 |
1月12日 | 3.0度 |
1月13日 | 4.1度 |
金星の位置変化(数字は日付を表す)※土星の位置変化は小さいので1月9日の位置としています
|