火星が土星とアンタレスにそれぞれ接近 2016年8月24日から25日

 4月26日から27日にかけて、火星がさそり座の1等星アンタレスに近づきました。その後火星は、お隣のてんびん座へ移動し、アンタレスや、近くにいた土星から遠ざかっていました。しかしその後は、再び両天体に近づいてきており、8月24日から25日にかけてダブルで最接近します。

 下の星図は8月24日の21時ごろ、南西の空を眺めたようすです。やや低い位置に、赤色をした明るい星が見つかり、これが火星です。火星の明るさは-0.4等で、地球最接近から3ヶ月弱がたった今でも、まだマイナス等級を維持しています。

 そんな火星のすぐ左下、1.8度離れたところにアンタレスがあります。前回の接近では4.9度も離れていましたから、今回の方がはるかに接近らしさを味わえます。また、今回の方が火星の明るさが落ちているためアンタレスとの光度差が小さく、いかにも赤さを競い合っているように思えます。

 一方、赤い火星の右上に0.4等で光る土星との間隔は4.4度です。アンタレスよりも少し間隔が開いていますが、独特の落ち着いた色をした土星との対比が楽しめるでしょう。

 火星とアンタレス、および土星との接近は、24日だけではありません。翌日の25日も同程度の接近間隔を維持しています。もし24日に見損なった方は、ぜひ25日にご覧になってください。

火星の経路(5日間隔、拡大図)

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