11月14日の満月は、月が地球へ最接近するタイミングに近く、スーパームーンが見られます。以降で詳しくみていきましょう。
2016年11月14日はスーパームーンです。この日、満月となるタイミングは22時52分です。このとき月は真ん丸になり、文字通りの満月です。一方、月が地球へ最接近するのは20時21分です。ちょうど地球最接近と満月のタイミングが一致しており、スーパームーンが見られるのです。
今回のスーパームーンでどのくらい地球へ接近するかというと、月と地球の平均距離を1とした場合、0.927の距離です。つまり、平均よりも7.3%も近い位置にあります。地球との距離をKmに換算すると、356,509Kmになります。
ところで、直近のスーパームーンで大きく近づいたのは2011年3月20日です。その時の距離は356,577Kmでした。これと比較すると
68Kmだけですが、今回の方が近いことになります。さらにそれよりも接近したのは1993年3月8日ですが、今回はそれよりも近づきます。さらにさかのぼると、なんでも1948年1月26日以来、68年ぶりの大接近なのだそうですよ。
また、今回よりも大接近する大きなスーパームーンは、2034年11月26日まで起こりません。ですから今後18年間は、今回よりも大きな月を見ることができません。
スーパームーンは天文用語ではありません。星占術の用語で、軌道中で地球に最接近(90%以内)した新月または満月のことだそうです。
少し解説しましょう。月は地球の周りを回っていますが、円軌道ではありません。少しひしゃげた楕円軌道ですから、地球から最も遠ざかる場所(遠地点)と最も近づく場所(近地点)が存在します。このため、およそ357,000kmから406,000kmの間で距離が変化します。一方、月は29日と12時間44分の周期で満ち欠けを繰り返しており、偶然新月か満月のタイミングで地球へ最も近づくと、スーパームーンになります。
下の星図は月が見える位置を示したものです。地球へ最接近する頃、スーパームーンはおうし座に位置しています。方角でいうと東からやや南寄りで、空の中ほどに見えることがわかります。
今回のスーパームーンと、今年最小の満月となった4月22日とで、大きさを比較してみましょう。下の絵をご覧いただくと、大きさが随分違うことがわかります。11月14日のスーパームーンの方が直径が 14%以上も大きく、面積だと 30%も広いのですから当然でしょう。
2016年のスーパームーン |
2016年で最小の満月 |
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※表示された視直径は東京から見た場合の数値です。 |
下のグラフは2016年の一年間、地球と月の距離がどのように変化するかを示したものです。20時という時間固定で日々計測した場合、356,500Km から 406,600万Km の間で変化していますが、地球に近づく距離が毎回異なっていますね。今回の11月14日は下側へ最も落ち込んでおり、地球との距離が最小になってスーパームーンであることがわかります。
2016年 地球と月の距離変化を示したグラフ |
同じ物を見たときに、近くにあると大きく見え、遠くにあると小さく見えます。当たり前の話ですが、このことは月の場合も同じです。つまり、地球へ近づいた月は大きく見えるのです。下のグラフを見ると、11月14日に月が地球へ最接近することから、月の大きさも年間を通して最大になっています。スーパームーンたる所以ですね。
2016年 月の見かけの大きさ変化 |
もう少し月の大きさにこだわってみましょう。地球は自転していますから、観測地は24時間の周期で月へ近づいたり遠ざかったりするのを繰り返しています。観測地によって異なりますが、最大で地球の直径分だけ距離が変化するのです。
下のグラフは東京で月の視直径が変動するようすを示したものです。例えば11月14日を調べると、大きさは最小33.1分から最大34.1分まで、およそ3%変化しています。つまり、スペシャルなスーパームーンを見ようと思ったら、14日から15日に日が変わる頃をねらうのがベストといえます。
月の大きさの変動 |
残念ながら来年2017年は、スーパームーンが起こらない年に当たります。その翌年2018年は、1月2日がスーパームーンです。地球との距離は356,570Kmまで近づきますから、今回に近い大きな満月が眺められそうです。なお、今回よりも大きなスーパームーンとなると、2034年11月26日まで待たなければならないとのことです。
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