春と秋の三日月が光る方向 2019年3月10日

 三日月は季節によって光る方向が違うのをご存知でしょうか。
 
 下の図、左側は3月10日の夕方に見られる三日月です。これに対して右側は、半年後の9月1日に見られる三日月です。できるだけ条件を同じにするために輝面比が近い日を選び、東京で高度が10度となる時間としました。
 
 3月は光る方向が下向きに近いのに対し、9月は右ななめ下方向です。光る方向が少し違いますね。この理由は何でしょうか?

3月10日の三日月

9月2日の三日月

 
 太陽は年間を通して天の黄道に沿って移動します。下に示した二つの星図では、天の黄道は黄色の線で示されます。3月は天の黄道が地平線に対して垂直近くに立っていますが、9月は大きく斜めに傾いています。
 
 ところで、月は太陽の光を受けて光ります。太陽は黄色の線(天の黄道)の延長上にありますので、月が光る方向は、概ね天の黄道の傾きの方向になります。三日月が光る方向が違うのも、なんとなく納得できるでしょう。

3月10日の星図

9月2日の星図

 それから、月の大きさが違うことにお気づきでしょうか。3月10日は月が地球から最遠となってから3日しか経っていないのに対し、9月2日は地球に最接近して2日しか経っていません。このため見かけの大きさ(視直径)が、8.6%違っています。同じ三日月でも、大きさが変化しているのも興味深いところです。

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