水星が東方最大離角 2020年2月10日

 2月10日は2020年で初めて、水星が最大離角となります。
 
 最大離角は東方最大離角と西方最大離角があります。今回は水星が太陽の東側へ最も離れる東方最大離角です。太陽の近くを回る水星は、普段は太陽からあまり離れず見づらいですから、最大離角の頃が観測のチャンスになります。
 
 下の星図は日の入りから50分が経過した西空の様子です。まず目につくのは非常に明るく光る金星です。そこから大きく下の方に水星があります。明るさは-0.5等ですから明るいように思いますが、空が完全に暗くなるのは36分後です。薄明中ですから見づらいでしょう。しかも高度は7度しかありません。肉眼では思ったよりも見づらいですから、双眼鏡を用意しておかれた方がよいでしょう。

日の入り時刻に見える水星の位置変化(5日間隔)

 5日間隔でプロットした位置変化の図をご覧ください。最大離角の前後5日間くらいは、水星は同じような高度を維持します。しかし明るさの方は、最大離角の5日前が-0.9等と明るいのに対し、5日後は0.4等と暗くなります。このように明るさの面では、最大離角の2月10日よりも前に見た方が有利であることがわかります。

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