木星と土星が0.1度の超大接近 2020年12月21日から22日

397年ぶりとなる大接近

 12月22日の3時18分ごろ、木星と土星が最接近します。前回近づいたのは2000年5月19日でしたから、今回は20年ぶりの接近です。
 
 木星と土星は20年ごとに近づくことで知られていますが、今回は0.1度という破格の接近です。前回ここまで近づいたのは 1623年7月17日の7時42分ですから、実に397年ぶりです。しかし、当時は太陽からの離角が13度しかなく、肉眼で確認するのは難しかったと思われます。
 
 実際に肉眼で見られたものとなると、1226年までさかのぼりますから、ナント794年ぶりのことです。太陽系で最も大きな2惑星である木星と土星の接近ということもあり、今回はまさに世紀の天文ショーと言えるでしょう!

日本での最接近は12月21日

 最接近は12月22日の3時18分ですが、日本では地平線下で観測することができません。18時に観測すると仮定した場合、木星と土星が最も近づくのは僅差で21日になり、6.7分(0.11度)まで近づきます。しかし、22日も負けないくらいの7.3分(0.12度)ですから、両日とも絶対に見逃さないでください。
 
 下の星図は12月21日の18時ごろ、東京から眺めた空のようすです。南西の低い位置で木星と土星が重なるように描画されています。

12月21日18時に見える位置

20倍に拡大

 上の星図を20倍に拡大したものを用意しました。これを見ると、21日は斜めに並び、22日は横に並ぶことがわかります。両惑星は相当に接近した状態ではありますが、天体望遠鏡で観測したときに重なって見えるわけではありません。

12月21日18時の場合(拡大図)

12月22日18時の場合(拡大図)

18日間も続く大接近

 18時という時刻に観測した場合、12月13日から12月30日までの18日間、1度を切った状態をキープします。こんなに長く大接近した状態が続くのは嬉しい限りですね。これはもちろん、木星と土星が遠いところにある惑星で、動きが緩やかなためです。下の表を見ると間隔は、0.1度ずつしか変化していませんね。

日付 木星と土星の間隔
(18時の場合)
12月12日 1.0度
12月13日 0.9度
12月14日 0.8度
12月15日 0.7度
12月16日 0.6度
12月17日 0.5度
12月18日 0.4度
12月19日 0.3度
12月20日 0.2度
12月21日 0.11度
12月22日 0.12度
12月23日 0.2度
12月24日 0.3度
12月25日 0.4度
12月26日 0.5度
12月27日 0.6度
12月28日 0.8度
12月29日 0.9度
12月30日 1.0度
12月31日 1.1度

20年ごとに近づくウンチク

 木星と土星は20年ごとに近づきます。これは、木星と土星の公転周期の違いによります。木星の公転周期は12年ですから、太陽を中心にして1年あたり30度動きます。一方、土星の公転周期は30年ですから、1年あたり12度動きます。ですから1年たつと、二つの惑星は18度ズレます。ズレが360度に達すると会合しますので、360度を18度で割ると20。つまり、20年ごとに接近するというわけです。

次回は2040年

 次回、木星と土星が近づくのは2040年10月31日です。このときは残念ながら、今回よりも間隔が開いてしまいます。しかしそれでも 1.1度まで接近して、私たちを楽しませてくれるでしょう。また、今回と同程度に近づくのは、2080年3月15日になります。

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